ランドスケープデザインコース 西村優子
在来草本を楽しむ庭園の提案と梅林の再生
対象地は東京都日野市にある京王百草園。この地域において自然が残る貴重な場所であり、敷地内に様々な植生が存在することから保全の必要性を感じ、この場所を地域の緑の拠点にしたいと考え対象地に選定した。
コンセプトは「原点回帰と園内での循環」とし、原点回帰するものは草本植生、梅林、作業を行う人を対象とする。
このコンセプト実行するために次の3つを柱とした。
・在来草本復元・保全のための選択除草。
・梅林を再生するための梅の更新。
・循環させるためのバイオネスト。
庭園でも違和感のない選択除草を導入し、多摩地域のみに生息する「タマノカンアオイ」などの貴重な植物を保全する。外来種を除草することによりかつて生息していた在来草本の復元を目指す。
現在閉鎖中になっている園路付近には、手を入れることにより過去に生息していた草本の復元が可能と考えた。
草本は「雑草」と言われがちだが、小さな植物にもそれぞれに魅力があることを提唱できる庭園とするのが目的である。
「梅の名所」として知られる百草園だが、現在はほとんどが老木であり更新もされなかったために梅の種類も本数も減ってしまった。百草園の象徴でもある「寿昌梅」は樹齢300年を超えている。歴史のある寿昌梅の存続のために遺伝子を引き継ぐ後継樹を育てる必要性や老木の更新による梅林の再生によってかつての姿を取り戻す必要があると感じた。循環という観点からも園内で賄うために種や実生をポット上げし育成する。
育つ過程を観察できるように鉢植えを展示し、「育てる」ことを通して人々の「育む」心の育成も目的としている。
草本の選択除草バイオネスト、梅の更新とバイオネスト、それぞれがバイオネストという堆肥を作るシステムを通して循環する。園内で循環させるため廃棄物や廃棄コストの低減につながり、地球にやさしいシステムと言える。また、バイオネストに生息する虫や菌類が増えると、それを狙う鳥なども来るため、生物多様性の一助にもなる。
西村優子
ランドスケープデザインコース
このコースのその他作品