文芸コース 神崎 ちひろ
物語は過去の言動に後悔をかかえる40代女性が、十二年前の夢の世界に入り込み、人生をやり直すというもの。主人公は、当時の時間を生き直すことによって、当時の事情や思いを改めて認識し、自分がした選択も実はそれほど悪くなかったのではないかと思い直す。後悔は、自分の考え方を変えることでも克服できる、若かった自分をもう少し優しい気持ちで受け入れることで、今の自分も救われるという自分なりの気づきを反映したつもりだ。
このテーマを選んだのは、私自身が40代になり、過去の言動への後悔に苦しんだためだ。見た目も変化し、理想の自分があるわけでもない現実に直面する一方、勝手に理想をふくらませる子育てを体験する状況で、そのギャップに耐えきれなくなっていたのだと思う。物語に救いは見いだせないかと書き始めた。
制作過程では、先生から「もっと自分なりの深みを持たせて」と言われたこともあり、ストーリー展開の面白さというよりは、主人公の悶々とした悩み、思考をできるだけ見せるようにした。
アウェイク
神崎 ちひろ
文芸コース
このコースのその他作品