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文芸コース 玉井 秀子

 このテーマで小説を書こうとした直接のきっかけは、2007年に熊本市の慈恵病院に設置された赤ちゃんポストのニュースを見てからである。しかしこれ以前より、児童養護施設の入所児童の進学率や就職率、将来の行く末が気になっていた。おそらく愛読書L・Mモンゴメリ著「赤毛のアン」の影響だろう。何度も読み返すこのシリーズの主人公、孤児アンの人生を救ったのは育ての親のマシューやマリラとその友人、美しいプリンスエドワード島とグリーンゲイブルズだ。だから当初は、様々な問題を抱えた子どもたちが読後に人生の希望を見出せる「赤毛のアン」のような小説を書くのが夢だった。しかし同時に私は、横溝正史や池波正太郎、藤沢周平にも心酔した時代があり、名言の宝庫であるドストエフスキー作品にも憧れていた。結果、赤毛のアンとは程遠いディストピア小説を書くに至った。アンの世界を諦めきれない思いと、バッサリと世の中に切り込みたい気持ちが随所で思い切りの悪いぶれを生み、先生方の厳しくも丁寧で温かいご指導がなければ完成に至らなかった。ただただ心からの感謝の言葉しかない。可能ならばもう一度再入学して学びたい!



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コドモランドと我がレゾンデートルたち

玉井 秀子

文芸コース

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