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challenge

イラストレーションコース 木村誠仁 (SEIJI)

A1サイズ(841mm×594mm)
制作ソフト:クリップスタジオペイント

本作は、卒業制作として制作した一枚絵のイラストであり、こコンセプトは「描くことは冒険だ」です。描くことを「上手くなるための訓練」としてではなく、「自分の内側を動かし、世界へ踏み出すための第一歩」として捉え直し、これから何かを始めたい人、特に絵を描きたいのに躊躇している初心者に向けて制作しました。

現代はSNSなどを通じて誰もが発信できる一方、他者の評価や比較が可視化されやすく、「自分の気持ちを表現すること」や行動そのものに怖さを感じる人も少なくありません。私自身も、言葉で自分の感情や考えを伝えることが得意ではなく、うまく表現できない、行動できないもどかしさを抱えてきました。そんなとき、絵は「言葉の代わり」になり、上手い下手を超えて、自分を保つための拠り所になりました。また絵を描くことによって、今までとは違った世界が広がりました。だからこそ本作では、完成度や評価に縛られる前に、「まず線を引いてみる」「やってみる」ことの価値を真正面から肯定したいと考えています。

画面は、手前にこれから描き始める人を配置し、奥に大きなキャンバスと翼を持つキャラクター、そしてキャンバスのふもとには、ペンを携えた教育者の姿を描いています。手前のキャラクターは決意と不安や高揚が混じる「出発前」の空気をまとい、斜めの構図と三分割構図によって、視線が自然に奥のキャンバスへと導かれるよう設計しました。キャンバスは「未来」や「まだ描かれていない可能性」の象徴であり、そこを突き破るように現れる翼を持ったキャラクターの存在は、内側から湧き上がる創造性や、殻を破る勇気を表しています。ペンを持つ教育者は、答えを与える存在ではなく、冒険に同行し、背中を押し、成長を見守る存在。描くことは孤独な作業にも見えますが、本作では「誰かの応援や関わりが、最初の一歩を強くする」という視点も込めています。

また、啓発ポスター用のキャッチコピーは「その一線が未来をえがく。」と入れました。特別な才能や準備が整ってから始めるのではなく、たった一本の線が、自分の気持ちを動かし、世界の見え方を変え、次の行動につながっていく——その感覚を、啓発ポスターとしての明快さで伝えることを目指しました。絵を描くことは、技術の獲得だけではなく、観察し、想像し、試し、失敗し、また挑戦するという思考の往復運動であり、心を整えるセルフケアでもあります。だからこそ私は、描くことを「冒険」と呼びたい。踏み出すことを怖がる人の隣で、そっと地図を広げるような一枚になれば幸いです。

卒業制作啓発ポスターver.

卒業制作プレゼンテーション

木村誠仁 SEIJI

イラストレーションコース

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