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地上より何処かへ

Anywhere, Nowhere

書画コース 吉川 剛央

「Zankyo - 残響」
水墨画は、一部の愛好家の閉ざされた世界の中で留まっていないだろうか。
高尚で難解なテーマが多く、どこか敷居の高さを感じさせる。
そうした疑問から、「世界で最も有名な4人組ロックバンド」を模し、ポップアートのように分かりやすい、一般の人々に開かれた水墨表現を模索した。

「地上より何処かへ」
古人は鳥に心情を託して水墨画を描いたという。
卒業を迎えた今、新たな出発へ向かう前向きな思いと、不安や迷いという、相反する感情を抱いている。
そうした心情を、対幅の鷹の姿に投影した。鷹は写実から離れキャラクター化した造形とし、背景は次の世界へ踏み出すための異界への入口をイメージしている。

「Zankyo - 残響」
「残滴 ー ジョン・レノンを模した誰か」 凶弾に倒れた彼の運命を、血のようにしたたり落ちる墨で象徴的に表現した。
「流音 ー ポール・マッカートニーを模した誰か」 メロディアスで柔らかな印象を、音の広がりが漂うような効果を目指した。
「風想 ー ジョージ・ハリスンを模した誰か」 瞑想に没頭していた彼の静けさの中に、演奏に宿るスピード感と強さを共存させた。
「烈響 ー リンゴ・スターを模した誰か」 躍動感と激しさを筆の勢いと墨の飛沫で表現した。
「Anywhere」 荒れる波を背景に、群れから離れ、翼を広げて飛び立とうとする鷹は、どこへでも行けるという希望を象徴している。
「Nowhere」 滝を見つめる鷹を描き、行き場のない孤独感を表した。滝の中から覗く鷹の顔は、憧れの象徴であり、同時に畏怖の存在でもある。
「断片 - Fragments」 これまでの課題で制作してきた作品や習作を再構成し、水墨表現の断片を一つの画面にまとめたものである。

吉川 剛央

書画コース

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