女神サマの手も借りたいッ!
イラストレーションコース 恩藤 詩帆
本制作は主に男性向けジャンルに属しがちな女性同士の恋愛を、等身の高い絵柄で描き、女性向け恋愛ADVの表現を応用することで、同ジャンルにおける差別化を図ったものである。
まず、恋愛ADVの市場ではプレイヤーと攻略対象の関係が対等ではないことも多く、これは乙女ゲーであれば、パッケージで男性が女性主人公を抱きしめたり取り囲んでいる構図や、ギャルゲーでこちらを照れたような顔で見つめている女性たち、という部分に表現されている。これは本編では意思を持った存在として描かれていたとしても、パッケージでは守られる存在として描かれることが、トキメキポイントとして表現されているのだ。だが、今回はそのイメージを刷新したいと考え、メインビジュアルでは従来の客体と主体を反転させるように、主人公をデッサンする攻略対象を描いた。
次にスチル(ゲーム内一枚絵)は女性向けを想定しているため、乙女ゲームをベースに演出を設計しつつ、女性キャラのカッコよさとトキメキが両立するラインを工夫した。
具体的にはスチルのちょっとした笑顔や、月夜に輝く青白い顔、少し強引に手を握られる仕草などである。これらをやりすぎない程度に散りばめ、キャラクターのパーソナリティから外れないように組み立てた。
最後に、恋愛シミュレーションゲームで議論されるのは、キャラデザやイラストといった、視覚的な部分が多い。そしてデザインは全てが計算されているものであり、商業作品は需要に基づいて供給が生まれている面が大きい。
そのため多くの恋愛ADVは制服を着た学生同士であり、それが望まれているのかもしれないが、同じ学生でも大学生とすることで、市場価値が高いとされている制服の少女以外のアプローチを選択した。
よって、ゲームとしての学生という期限は残しつつ、キャラクターのパーソナリティをわかりやすく示すことができ、差別化もできたのではないだろうか。
女性同性愛の恋愛ADVは、世界基準で見ると少なくはない。だが、その多くはキャッチーさと需要の多さから可愛い絵柄が中心となっているため、その隙間と得意な絵柄の交差する点を活かして制作した。
恩藤 詩帆
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