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 且緩緩(sya_kan_kan)

  

書画コース 茂木奈緒子

24.5㎝×26.0㎝
中国手漉紙 / 油煙墨

本学で水墨画を学び、濃淡潤渇と余白の総合美について理解を深めてきた。墨色の濃さを調節したり、水の量を変えて滲みや擦れを用いたりすることで、黒と白だけで強さも柔らかさも表すことのできる世界は興味深いものだった。

今回、全作品を通して、自身の今まで出会った人たち、彼らとの繋がり、時間の流れに伴う意識の変化を墨で表現することとする。
喜怒哀楽と濃淡潤渇は似ている。


「且緩緩」
このままではいけないと足掻いていた時期を経て、囚われから解放されていく過程。また、今までの歩みを否定せず労いながら、必要な時期であったと大切にしている思い。

「知好楽」
ひとつのことに取り組んでいるとき、知識の豊富な人や「好き」が伝わってくる人のことは尊敬する。無邪気に楽しんでいる人のことは大好きになる。

「主人公」
禅語で「本来の自分」を意味する。雀は擬人化したもの。多数の雀が止まっている線は単なる枝ではなく、時間の経過・雀同士の繋がり・各々の居場所・境界線等を表す。温かく居心地の良い場所を作るものでもあり、一方で枠の中に囚われたような窮屈さや孤独を感じさせるものでもある。

捉 とらわれる ~ 動きたいけど動けない。身動きがとれないようなもどかしさ。
結 むすばれる ~ 遠くから近くから見守ってくれる人達の存在を知った安堵感。
拡 ひろがる ~ 自分が見たもの聞いたものすべてが選択肢。
知好楽(chi_kou_raku )~ 全力で楽しんでいる人は輝いている。
主人公 ~ 繋がりやしがらみ、時の流れ、境界線の中にいる雀は自分であり誰かである。
枠が単なる囲いであると知ったとき、近くにいる他者を感じられる。
視野が広がると、いろんな角度から世界が見えてくる。
ここにいることも、離れることもできる。
すべては自分次第。
もっと広い世界に行きたいと、飛び立つこともできる。

茂木奈緒子

書画コース

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