未来は、あそびの中に。
風土とテクノロジーで身体性を編み直す ― 可変式街区公園ショーケース
ランドスケープデザインコース 出張 宏明
未来は、あそびの中に。
日本はいま、医療費の高騰や可処分所得の減少、肥満児童の増加、若年層の心身の不調など、未曾有の健康危機に直面しつつある。生涯にわたる運動習慣は10代までに形成されることが有効とされている一方で、無償で身体性を育む機会は減少し、子供たちは習い事に依存しなければ運動できない環境へと変化している。身近な遊び場である街区公園も、安全性の名のもとに均質化され、本来の身体的成長の場としての役割を十分に果たせていないことが指摘されている。
本提案は、神奈川県逗子市・久木ハイランドの三つの街区公園を対象に、地域の風土とテクノロジーを掛け合わせながら公園機能を再編し、子供たちの身体性を日常のなかで回復させる〈くるくるパーク〉構想である。縦糸に地域性、横糸に汎用性を据え、西が丘公園では大地、風の丘公園では気候、夕陽台公園では波という自然要素を遊びへ翻訳し、公園そのものが変化する仕組みを導入することで遊びの可能性を拡張する。
三つの公園を巡る体験は、子供たちを山や海へと誘い、日常から自然環境へと活動の舞台を広げていく契機となる。逗子から始まる小さな実践を通じて、街区公園を再び健康と学びの基盤へと編み直し、均質化された基盤や制度を問い直し、ディストピア的未来に抗う公共空間のプロトタイプを提示する。
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