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Shibori 連綿

有松鳴海絞技法を用いたベビー用品による普及と継承

空間演出デザインコース 篠原 美紀

絞りを施す生地は、綿100%のほか、ポリエステル素材(形状記憶加工のため)を使用。

「0歳の日常に伝統を贈る」

400年以上続く有松鳴海絞の技術と製品を連綿と継承するためには、技術を担う職人を絶やさないことと、消費者を確保し続けることのどちらもが必要である。絞り技術の保存や継承は、海外インターンや職人技をデジタルアーカイブする企業プロジェクトが進められている。普及の視点でまだアプローチできる層はあるか考えた際、これから生まれる子どもたちに可能性を見いだした。


研究テーマ
「有松鳴海絞技法を用いたベビー用品による普及と継承」

現在、伝統産業と呼ばれるものが、かつては身近に存在するありふれたものだったように、「身近であること」や「子どもの頃から日常的に触れていたこと」は重要なキーワードである。そこで、これまでにアプローチがあまりされてこなかった乳幼児と親をターゲットにした、誕生祝いの品を提案した。贈る側は日本の伝統を次世代に伝える行動ができ、贈られた側は日常的に触れるうちに愛着が湧き、「有松鳴海絞」という伝統工芸品を身近な存在として捉える新しい価値観の創出につながる。


作品の概要
「有松鳴海絞技法による布の立体造形を楽しむベビー用品」

従来、絞りとは、模様部分が染料に染まるのを糸によって防ぐ技法とされてきた。しかし、世界中の絞りのデザイナーや研究者らの議論によって、現在では「絞りとは、布の造形である」とされ、本来なら次第に消えていく絞りの凹凸を残す、形状記憶加工を施した製品も誕生している。私の作品においては、従来のシワや凹凸に加え、形状記憶と、括りや縫い工程の糸をあえて抜かずに残すことを糸残しと名付け、デザインに取り入れた。


「SHIBORI」の名で世界に知られる愛知県の伝統工芸である有松鳴海絞が、この先も長く続いていくことをイメージして、これらを「Shibori 連綿」と名付けた。

左 やたら三浦絞りの形状記憶、中央 手蜘蛛絞りの形状記憶、右 巻き縫い絞りの糸残し

おもちゃが4種、ベビー用品等が7種の合計11種類。布絵本、ボールセット、メリー、いたずらティッシュ、かぼちゃパンツ、帽子、スモックワンピース、短肌着、ガーゼケット、母子手帳ケース、母子守くるみ。

篠原 美紀

空間演出デザインコース

広島市出身 名古屋市在住
1992 年1 月28 日生まれ
30 歳の節目に大学進学を決意し、これまでの経験や自身の興味と重なる空間演出デザインコースに入学。
1 年目と4 年目に出産しており、2人の子どもを育てるママ大生。子どもたちと二人三脚で大学生活を送ってきたため、「子ども」「乳幼児」といったテーマに強い関心がある。

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