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「てくてく! みのおしのふしぎだいはっけん!」

(大学院)グラフィックアート分野 政兼 由奈 (まさかね ゆうな)

領域奨励賞

サイズ:2700㎜× 1500㎜
使用ソフト:Adobe Illustrator

 修士制作『てくてく!みのおのふしぎ だいはっけん!』は、大阪府箕面市を舞台に、子どもたちが遊びながら地域の魅力を発見できる探し絵作品である。都市化や生活様式の変化により、子どもと地域社会とのつながりが希薄になりつつある現状を背景に、「見て・探して・遊んで」という能動的な体験を通して、身近なまちへの関心を育むことを目的として制作した。
 画面は俯瞰図的構成を基盤とし、上部に山並み、下部に市街地を配置することで、自然と暮らしが共存する箕面市の風景を一望できるようにしている。建物や人物はモノトーンの線画で緻密に描き込み、箕面の滝や山、柚子など象徴的な自然要素にのみ緑系の色彩を施すことで、地域の自然の豊かさを視覚的に強調した。アクリルガッシュや色鉛筆による手描きの質感を活かし、温かみと親しみやすさを備えた画面を目指している。
 作品には探検隊に扮した小学生の主人公が5か所に登場し、鑑賞者はその姿を探しながら画面全体を見渡す。質問文はひらがなを中心に、擬音語や色彩表現を交えて構成し、低学年の子どもでも主体的に取り組めるよう工夫した。約200点に及ぶドローイングが織り込まれた画面は、細部まで観察する楽しさを生み出し、遊びの中で地域資源や名所への理解を深める仕組みとなっている。
 本作は、2025年に開業した新駅に併設される市民ギャラリー「チカノバ」での大型展示(約2700×1500mm)を想定して制作した。駅という多様な人々が行き交う公共空間に展示することで、親子連れや学生、観光客が足を止め、まちを知るきっかけとなる場を構想している。また、グループ展でのA1サイズ展示やイベント出展を通じて探し絵で遊んでもらう実践を重ねるとともに、A3判の探し絵に箕面市の解説を加えたZINEへと発展させた。ポスターとしての鑑賞性と、冊子として持ち歩ける媒体性の両面を探ることで、探し絵を地域学習教材や観光マップへ応用する可能性を提示する作品である。

制作コンセプトと 駅展示を想定したデザインについて
箕面市リサーチとドローイングについて
ZINEへの展開と展示会での実践について 

政兼 由奈 まさかね ゆうな

(大学院)グラフィックアート分野

CONTACT

身近な風景や日常の空間をモチーフに、少し不思議でやさしい世界を描いています。
また、アートユニット「パクパク倶楽部」のメンバーとしても活動し、グループ展を通して発表を重ねています。

【展示歴】
■2025年
・『ART 甲子園 2025 Quartet』/gallery hana輪(6月6日〜8日、13日〜14日)
・グループ展「Days.」/i・yu art space coffee roastery(8月31日〜9月7日)
・グループ展(パクパク倶楽部として複数回開催)

■2026年
・個展「Little Utopia」/i・yu art space coffee roastery(2月21日〜22日)

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