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陶芸コース 中兼 雅之

Post Human

40㎝x40㎝x15cm【他】
白土/ペルシャブルー釉薬、ルーシーリー金彩釉/酸化/手びねり, タタラ


現代文明における、“二極対立構造”へのアンチテーゼ
〜 人類文明は、どこから現れ、この先どこへ向かうのか 〜

人類が初めて「文字」を使って、脳内データを脳外へ保存・データ化し始めたのは、紀元前4000年前後、現在のイラク南部、ユーフラテス川とティグリス川に挟まれたメソポタミア地域における「シュメール」であるとされる。ホモ・サピエンスの歴史の中で、突如現れたこの文明は、他にも多くの高度技術を有したが、その起源は未だ解明されていない。シュメール文字(楔形文字)により粘土板に記録された最古の文字版は、収穫した大麦を誰がどれだけいつ受け取ったのかを記録した「受領書」と解釈されている。
以来、約6000年の時を経て、人類文明は大きな進化を遂げた。そして今、更に加速度的進化のタイミングに差し掛かっている。VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)と言える現代は、既に「正解のない・地図のない世界」に突入している。

敵か味方か
男か女か
資本主義か社会主義か
善か悪か
アナログかデジタルか
人間かAIか

こうした「二極対立構造」のゼロサム議論はもはや通用しない。両極の共存可能性や他の選択肢を含め、従来存在しなかった新しい価値観・世界観を創造する必要に迫られている。
合理性・効率性・生産性に加え、感性・美意識を重んじ、二極の狭間の「曖昧なグレーゾーン」にこそ問題解決や価値創造の鍵があると信じる。
この作品は、既存の価値観を壊し、ダブルスタンダード、ダブルシンクによる新創造こそが未来に欠かせないとの意図を込め、あえて最古文明であるシュメールを意識し、社会への問題提起の媒介となるべく、「Post Human」と題し、「人間とAI」をテーマに制作した。
なぜなら、増殖する脳外ビッグデータは、粘土版ではなくAI配下にあるからだ

中兼 雅之

陶芸コース

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