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空間演出デザインコース 堀江 ミツ子

あまくさ月桃茶と月桃の葉と実 月桃染の布


あまくさ月桃 Hae no Megumi

月桃とは、暖かい地域に生息する植物で、ショウガ科ハナショウガ属の多年草です。
蕾が桃のような形をしており、葉には芳香があります。ポリフェノールが豊富に含まれノンカフェインであることからお茶として飲用されています。月桃の実はお茶以外にもスパイシーな風味を持ち、調味料としても使用されます。
月桃には殺虫効果があり無農薬で栽培できるため、安心して食せるということも特徴の一つです。

この月桃が熊本県天草でも栽培されていることを知りました。
そこは、暖かい対馬海流がもたらす南風の影響で降霜せず、一年を通じて比較的穏やかな気候の地域です。

この地域も全国的な問題同様、人口減少により過疎化が進み、高齢化率は特に深刻な状態です。
天草産の月桃を用いて、天草と天草産月桃の魅力を発信し、賑わいの創出や関係人口を増やせないか。
そのような思いから、あまくさ月桃による地域ブランディングに取り組みました。

月桃はそもそも沖縄県や鹿児島県の南の島々などでは多く知られていますが、本土ではまだまだ珍しい植物です。
あまくさ月桃の良さを発信し、関心を持った人々が手軽に多様に、天草と出会えるきっかけを創出することを研究テーマとしました。

月桃は、生育が良く、成長が速いため、他の植物の代用として利用できることや、お茶や調味料などの食品としての使い方以外にも、 様々な使い方があることがわかりました。

あまくさ月桃の特性である多様な活用方法を持つということは、一辺倒ではない様々な関係性をつくることができます。 天草地域の賑わいの創出などの活性化に繋げるためには、①あまくさ月桃という名称で、天草産月桃であることをPRするプロダクトとする 必要があること。②それをお茶会などのイベントで多くの人々に伝え広めるための機会を持つこと。また、③あまくさ月桃をいつでも手に入 れることができ、それらの情報を発信できる拠点施設があること。そしてそれらを手に取り、使用し、体験することで、それぞれの人々が モノ、ヒト、コトの交流を創出し循環させ、長期的な活動を目指します。

プロダクト(月桃商品)は、誰でも手軽にあまくさ月桃に慣れ親しんでもらえるように月桃茶と、あまくさ月桃の多様な使用方を紹介した 月桃本を。また、より天草の魅力をPRするために、他の天草の特産物の天然塩や、天草陶石とのコラボレーションで開発を行いました。 天草はたくさんの良いものや珍しいものが、海から伝わってきた歴史的背景のある地域です。そしてそれらを寛容に受け入れる地域の人々 の穏やかな人間性を感じるところです。「あまくさ月桃 Hae no Megumi」は、そのような天草の穏やかな地域性を感じられることをブラ ンディングコンセプトとし、ロゴマークは親しみを持ってもらえるようなフォントデザインにしました。ロゴの中央に配した南風が恵みを もたらしていることを表現しています。

あまくさ月桃茶は葉を乾燥させたものを焙煎して混合物を取り除いています。ティーパックの個包装にして、初めて飲む人にも試しやすいよう にしました。 あまくさ月桃塩は、天草の海水を釜で炊き上げた煎ごう塩に、乾燥させた実をすり潰し混ぜた合わせたフレイバーソルトです。お茶も塩もパ ッケージに月桃紙を使用しました。 あまくさ月桃壁は、陶磁器の原料である天草陶石に月桃スサを混ぜた塗り壁内装材です。 天草陶石は、継承者不足などによる窯元の減少で、昨今出荷が減少しています。その問題への解決の、新たな利用価値を見出せました。 また、あまくさ月桃の紹介を掲載したあまくさ月桃本で、あまくさ月桃を取り入れた日々の暮らしを提案しています。

今後も活動を続け、ひとりでも多くのあまくさ月桃ファンを増やし、月桃で天草と出会える交流のきっかけ作りを行っていきます。

堀江 ミツ子

空間演出デザインコース

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