授業風景
2020年7月10日 授業風景
こんにちは。スタッフの大賀です。
今日は、1年生必修授業「文芸表現ワークショップⅠ」のオンライン授業の様子をお伝えします◎
この授業では、文芸執筆の導入編として、小説、詩、アーティクル(記事)の3ジャンルにわたって、
読者に伝わる文章とはどんなものか、執筆を経験し、考えを深めていきます。
小説を辻井南青紀先生、詩を中村純先生、
そしてアーティクル(記事)を木村俊介先生にご担当いただき、1年生たちは3クラスに分かれ、5週ごとにそれぞれのジャンルを学んでいます。
1年生にとっては初めての演習授業なうえ、オンラインでの授業。
どのようにzoom上で学んでいるでしょうか?
今回はCクラス、アーティクルの授業回の様子を届けします◎
インタビューをして記事を書こう!-文芸表現ワークショップⅠ
アーティクルは、新聞や雑誌、WEBなど様々な媒体で掲載されている、日常に溶け込んだ文芸表現といえます。
事実に基づいた、現象・状況・存在を伝えるために書かれており、「取材」が核となってくるジャンルです。
そんな取材を、学生たちはオンライン上でどのように実践しているのか。
アーティクルを担当してくださっている、木村先生に伺いました◎
ブレイクアウトルームを活用した学生同士のインタビュー。木村先生からのレクチャーがあったのでしょうか。学生たちの表情は真剣です。
■先生にとっても1年生にとっても、初の授業がオンラインとなりましたが、
オンラインでの取材で、気をつけていらっしゃることはありますか?
新入生に向けた、少人数制(約十六人)の「文芸表現ワークショップ」で、取材記事を書くための授業をしています。
入学以来、オンライン授業が続く皆さんにとって、人と会い、話を聞く意義は、特によく考えていることのはず。
そう思い、インタビューの実践を少しでも深めてもらおうとしています。時には、ノートを取らなくていいから、人の話にすっぽり入り込んでみる「傾聴」に重きを置くなど、集中して向き合うことが得意なオンライン授業を活かした試みをしているのです。
それらの試みを通して、良い意味で緊張感のある「その時だから聞けた声」を受けとめられている気もします。
ある学生の方からは、次のようなご感想をいただきました。
「クラスにて、リレー形式でインタビューをしたのが、とても心に残っています。たった一つや二つの質問で、こんなにも人の心を覗いた気分になったのは初めてでした。心の距離が短くなるのを感じ、嬉しかったのです。質問を一対一で投げて返してでなく、全員でパスするというのに、とても魅力を感じました。点と点が繋がり線になるだけでなく、それが輪になったので」
直に会えないからこそ、授業中のインタビューにも夢中になって入り込んでくれるという学生の皆さんのきらめきを、眩しく感じているところです。
木村先生、ありがとうございました◎
授業で使用しているZoomは、何十人が参加していたとしても、声の大きな人がいれば、その人の声だけが通信されてしまいます。
対面のとき以上に、何かの音や声で、音がかき消えてしまうオンラインの授業では、より静かにその声を受け止めることが先生にも、学生にも求められています。
そんな場での「傾聴」。
まず落ち着いて、相手の発することに心を傾けてみる。
そうした実践を通して、学生たちは、受け取った分だけ、考えや感受性が深まっているのだろうと、授業の様子をお聴きして感じました。
「傾聴」はインタビューのみならず、文章を読み解くことにも大切なことです。
語り手は何を語ろうとしているのか。語り手に何が起きたのか。語り手はどうしたいのか。
物語の中だけでなく、日常にはより、他者のことばや声、表情を受け止める機会が溢れています。
学生たちはインタビューの授業で、傾聴の面白さを得られているようです。
深い「傾聴」を体験した学生たちが書く記事は、どんなものになるのでしょうか。
楽しみです◎
イベント情報−−−−−−−−−−−−−−−
■1日体験入学オープンキャンパス
誰でも芸大生になれる特別な1日!
文芸表現学科の授業「ショート・ショートを書こう」を体験できます。
毎回すぐに満席になってしまうので、お申し込みはお早めに◎
(昨年の授業の様子はこちら)
「ショート・ショートを書こう」
担当:山田隆道(作家)
日程:8/2(日)
午前(10:30-12:00)
午後(13:30-15:00)
※オンライン(Zoom)と対面型授業(受験生限定)で実施予定です。
※どちらの日程も、午前・午後の時間帯をお選びいただけます。
詳細・お申し込み:https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc07-05_08-02/
イベント問い合わせ:京都芸術大学 アドミッション・オフィス
電話受付時間(月曜日~土曜日 09:00~17:30)
TEL 0120-591-200(アドミッション・オフィス直通)
(スタッフ・大賀)
2019年6月12日 授業風景
爽やかな風が吹いていた5月も過ぎ、湿気と少しの熱気を含んだ6月がやってきましたね。
こんな調子では気がついたら、あっという間に夏になるなぁ、なんて考えていたら、
酸味の効いたトマトが入った冷やし中華を食べたくなってきているスタッフの大賀です、こんにちは。
低気圧のせいで雨にも風にも負けそうなので、今日は初夏の心地よさを感じられる、
2年生以上を対象とした「編集ワークショップⅤ」の様子をお伝えします。
この授業では、書く・編集するといった文芸表現を用いた実社会との関わり方を実践で学ぶため、
昨年度から「かめおか霧の芸術祭」の取り組みに参加しています。
「かめおか霧の芸術祭」は、普段は気づかない日々のなかにある“野良”の芸術を通して、
人や地域を育んでいくことを目標とし、2020年に亀岡市一帯で開催を予定されています。
開催までの取り組みも芸術祭の一部であり、
そのなかで文芸の学生たちは、亀岡農業の豊かさを伝える記事を作成しています。
書くにはまず “知る” ことから。
ネットからの情報以上に、実際にその土地を訪れて人に会うことで、
まだ知られていない事実や視点にも出会うことができます。
ということで、学生たちは5月と6月に亀岡市に取材に行ってきました。
取材のために、リサーチや記事構成など、事前準備もしっかり行なって挑んだ学生たち。
どんな取材になったのか、その様子を写真でお届けします◎
■かたもとオーガニックファーム
マルシェなどにも積極的に出店する「かたもとオーガニックファーム」の片本さん。
■「かめおか霧の芸術祭」の拠点 – KIRI CAFE
芸術祭の拠点でもある「KIRI CAFE」。
古民家を改修しており、改修作業は京都造形芸術大学の空間演出デザイン学科の学生も関わりました。
定期的に様々なイベントや展示も行われています。
片本さんのお野菜を使ったそば粉のクレープが提供されていました。
クレープを昼食にパクリ。食べることも取材です◎
■369works
丹波地域のオーガニック野菜を取り扱う「369works」の鈴木さん。
オーガニック野菜の魅力と届ける仕組みについて伺いました。
■ハイツ野菜研究部
無施肥栽培に真撃に取り組んでおられる「ハイツ野菜研究部」の中嶋さん。
■クサカベ農園
音楽家でもある「クサカベ農園」の日下部さん。
日下部さんからは、有機農家のこれからについてや、音楽家が感じる農作業についてなどをお聞きすることができました。
■愛善みずほ会
土作りから生まれる豊かな暮らしについてお話しくださった「愛善みずほ会」の矢野さん、出口さん。
木材屑発酵堆肥についてお話しくださった、澤田さん。
亀岡の雄大な自然のなかで、新鮮な野菜をいただいたり、実際に触れたりしながらお話を伺ったことで、
農業を始めたきっかけから、野菜の育て方、
思い通りにはならない自然と向き合ったなかで得られた哲学、社会全体への展望などなど、
取材させていただいた方々それぞれの視点や、共通の観点から亀岡農業が観えてきました。
これから学生たちは取材内容のまとめに入り、記事を作成していきます。
学生たちの書いた記事はWEB上で公開される予定ですので、
公開が決まりましたらBLOGでお伝えしますね。
どんな記事になるのか、どうぞ楽しみに◎
(スタッフ・大賀)
2019年5月31日 授業風景
京都造形芸術大学では、大学での学びを実社会でどのように活かしていくのか、
「キャリア授業」を各学科ごとに開講し、考え、実践していく機会を設けています。
文芸表現学科でも、1〜3年次にそれぞれの段階に合わせた内容で開講しており、
今回お伝えする2年生向けの授業「キャリア研究Ⅱ」では、学生たちが具体的な将来像を自分たちで考えられるよう、
リサーチとインタビューなどを通して、文芸を活かせる職業と仕事について考えていきます。
5月25日(土)に行われた第2回目の授業では、
ゲストとして、作家の仙田学さん、フリーライターの納谷”ロマン”憲幸さん、編集者の小森文さんにお越しいただき、
作家・ライター・編集者について、グループインタビューを行いました◎
左二番目から、作家の仙田さん、ライターの納谷さん、編集者の小森さん。 両脇は授業担当の山田先生、大迫先生。
小説家についてお話しくださった仙田学さんは、
2002年に小説『中国の拷問』で「第19回早稲田文学新人賞」を受賞してデビューされ、
著書には『盗まれた遺書』(河出書房新社)、『ツルツルちゃん』(NMG出版)があり、
「文藝2019年夏季号」では最新小説『アイドル』を発表されています。
ここまでは小説家の方の紹介としてよくある流れなのですが、
仙田さんはもう一つ、「女装小説家」という肩書きも持たれています。
(実は、昨年度もこの授業にゲストとしてお越しいただいており、
その際には女装でインタビューにお答えいただきました◎)
そういった独特の感性と特徴をお持ちの仙田さんに、
執筆するときの心持ちから、仙田さんならではの創作論、
編集者さんとのエピソードなど、学生たちは熱量の高いインタビューを行っていました。
納谷”ロマン”憲幸さんには、ライターのお話をお伺いしました。
納谷さんは、『Meets Regional』、『まっぷる京都』『関西Waker』など、
関西を中心にフリーライター兼カメラマンとして活動されるかたわら、
編集者、ディレクターとしても活躍されています。
ライター業では、”雑誌とインターネット”、どちらでも記事を書かれていることもあり、
それぞれの良さ、違いについてお教えくださりました。
また、仕事は「呑み歩きで出会う面白い人から」繋がっているとのことで、
名前に含まれる「ロマン」の由来から、呑み歩きの極意、体を張った取材の話まで、
納谷さんならではの物事の捉え方や、仕事の向き合い方に、学生たちは興味津々でした。
「自分はプレイヤーなので、教育の場からは距離をとってきた」とおっしゃる納谷さんですが、
今回は偶然が重なってゲストにお越しいただけたとのこと。
学生たちにとって、リアルな現場の空気や感覚を知れる貴重な機会となったのではないでしょうか。
編集者のお話についてインタビューにお答えくださった、小森文さん。
元々はテレビの制作会社でADされていたそうなのですが、
「編集をしたい!」と大阪編集教室で編集やライティングを学び、
14年4月に編集プロダクション「有限会社コピーズ」で入社されました。
関西の情報誌、企業広告、メーカーカタログ冊子の編集をされているとあり、
インタビューをしていくうちに、媒体や企業ごとの違いの面白さや、趣味が仕事の強みになったりなど、
具体的なお話をお聞きすることができました。
「編集って大変ですか」という学生の質問にも、率直にインタビューにお答えくださりました。
今回、お越しいただいた3人の方々の職業である小説家・ライター・編集者は、
文芸の職業として真っ先に上がる、学生たちにとって憧れの職業です。
仙田さん、納谷さん、小森さんの実体験から語られた言葉から、
それぞれの職業に対して新たにどんな側面を知れたのか。
学生たちには、インタビュー記事としてまとめてもらいます。
ちなみに、完成原稿は仙田さん、納谷さん、小森さんにもお読みいただくそうです。
さてどんな記事になるのでしょうか?
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6/9(日)に開催する授業体験型オープンキャンパスでは、
「ショート・ショートを書こう」と題して、
短い小説(=物語)を執筆してもらうワークショップを行います。
授業を担当してくださるのは、
小説家・エッセイスト・漫画原作者として活躍されている、山田隆道先生です。
小説など言葉を使って創作を目指すみなさんは、ぜひこの機会に
プロの現場を生き抜いている山田先生の授業をご体験ください。
各回、もうすぐ定員が埋まりそうですので、お申し込みはお早めに◎
皆様のご参加、心よりお待ちしております!
京造を体験『1日体験オープンキャンパス』
日時:6/9(日),7/7(日) 10:00-16:30(受付は09:30〜)
開講時間:午前の部・10:20-12:00
午後の部・13:30-15:10
詳細・お申し込み:https://www.kyoto-art.ac.jp/opencampus/oc06-09_07-07/
(スタッフ・大賀)
2018年11月13日 授業風景
「ことばの葉っぱのワークショップ」、小説家・詩人の多和田葉子さんとの「詩のワークショップ」など、
これまで様々なワークショップを行ってきた現代詩の授業「創作ワークショップⅣ/創作Ⅰ」で、
また、おもしろそうなワークショップが行われていたので、ご紹介したいと思います。
今回は、実際にワークショップを体験した受講生の辻田涼太朗くん(2年生)と朝倉みなみさん(1年生)、2人の視点でお送りします。
辻田 ●
11月1日の授業ではまた違った授業を行いました。
まず最初にデカルコマニーを作ります。
デカルコマニーとはフランス語で「転写」を意味する用語で、オスカー・ドミンゲスが創始した技法です。
一度折りたたんだ画用紙にアクリル絵の具を自由に垂らし、押しつぶすことで描きます。
これによって描かれた模様は人間のコントロールが効いておらず、制作者の「無意識」が反映されていると考えられています。
これによって浮き出た模様を見て、詩を書くのです。
朝倉 ●
無作為にいろんな色の絵の具を広げていく開放感や、紙を広げるまで予測できないドキドキ感を味わいました。
絵の具だけでなく、上から少し水を垂らしてみたり、紙をこする力を工夫してみたりと、実験的な要素が多くてとても興味深かったです!
人の無意識の領域が現れると言われるデカルコマニーをすることで、頭が柔軟になっていくようで、その後の詩の創作ではより豊かな発想で制作することが出来たと思います。
〈朝倉みなみさんの作品〉
『かたちを見る』
外からの衝撃
音 こえ 視線 かみなり なみ
で動くものは きっと柔い
それをのぞこうとするならば この硬いかたちをこえてゆけ
外からの衝撃では揺るがない この硬いかたちをこえてゆけ
見たらばたぶん 消えちゃうけどさ
辻田 ●
ちなみに私のデカルコマニーには人の横顔のような形と、顔に見える部分でいくつかの色が混ざっており、無数の表情が見えました。
それが誰なのかはわかりませんがその人は少なくとも女性に見えたので私の無意識下、もしかしたら私の中に女性が住んでいるのかもしれません。
〈辻田涼太朗くんの作品〉
『横顔』
あなたの横顔は、いつ見ても同じじゃない
黒い髪をなびかせる表情は
笑い、怒り、悲しみ
いくつもの表情が混ざって混じって
同じ顔は見たことがない
朝倉 ●
自分の作品の詩を書いた後は、ペアを組んでお互いの作品に詩を送るということもしました。
作者と相手の解釈が違うと、同じ作品を見て書いたとは思えない、正反対の詩が上がってきたりして、様々な見方があることを実感しました。
授業を担当してくださっている君野先生によると、詩人であり、戦後の代表的な美術批評家の瀧口修造もしばしばデカルコマニーを制作していたとのことです。
「今後の創作活動も、今回の授業のような柔軟な姿勢で、作品に向き合っていきたいです!」(朝倉)と、現代詩だけでなく、他の創作活動にも活かされる学びになったようです。
「とても楽しい授業でした。画用紙とアクリル絵の具があれば簡単にできますので、みなさんもぜひやってみてはいかがでしょうか」(辻田)、と辻田くんが言ってくれているように、気軽に始められるので、ぜひ皆さんも、現代詩の創作に限らず、デカルコマニーを使って思考の柔軟体操を試してみてくださいね。
(スタッフ・大賀)
2018年10月11日 授業風景
現代詩をワークショップ形式(演習)で学ぶ授業、「創作ワークショップⅣ/創作Ⅰ」。
この授業では、1,2年生が先輩・後輩の垣根をこえて詩の創作に挑戦しています。
担当してくださっているのは、比較文学・日本文化・日本語表現を専門に研究されている君野隆久先生。
普段はひょうひょうとしたお茶目な先生ですが、
詩や文学の話となると研究者としての熱い一面がのぞきます。
君野先生。お写真撮らせてくださいとお願いしたら、「照れちゃうなぁ」とこのポーズ。
葉っぱの切り取り方も様々です。
どんな言葉を書くのかな。
組み合わせに正解はありません。みんなが好いと思う組み合わせを考えていきます。
このグループは、それぞれで文章を考えてから、1つの詩にしていったようです。
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