授業風景
2021年1月26日 授業風景
こんにちは!
クロステックデザインコースです。
いよいよ後期も終盤となり、合評シーズンです。
クロステックでは1年生から3年生まで様々な合評が行われましたので、その様子を少しだけお見せいたします!
まずは1年生展示「なにか、おもしろそうな展示会を作ってください」展の合評が行われました。
この展示では学生同士でお題を出し合い、それに答える形で作品を制作するという面白い試みがなされていました。
例えば「タイ」というお題を出された石田 祥太郎君(長野県赤穂高等学校出身)は、トムヤンクンスープを作ることを思いつき、手探りながらも自らトムヤンクンスープのレシピを考え、作っていく過程をスタイリッシュな映像に納めました。
今回の合評には中山先生だけでなく、軽部先生もオンラインで参加。
zoomを通じて軽部先生にプレゼンをする村下 未華さん (京都学園高校出身)
中山先生の専門である現代アートの観点と、軽部先生の専門である企画の観点からご意見をいただきました。
合評中の宮本 真衣さん(香川県立善通寺第一高等学校出身)
1年生の展示は毎年自分の作品を作るだけではなく、展示レイアウトやキャプション制作、ポスター制作まで全て学生中心で行います。
作品解説をする大竹 真心君(大阪府立池田高等学校出身)
様々なことに挑戦したい1年生の制作する作品は、内容も形式も様々で、展示会としてまとめるのがとても大変です。
互いの個性を生かしながら一つの展示会を作るのは難しいことではありますが、3年生展そして卒業制作に向けて初めての一歩を踏み出すことができたと言えます。
次は2年生の授業「クロステックデザイン応用」の合評です!
以前のブログ(可愛すぎるカメラのモックアップ出来ました!)でもご紹介したことがありますが、fusion360 (設計ソフト)を使って自分の好きな既存のカメラの他お正月に暇つぶしグッズを制作してきました。
今回の合評はソーシャルディスタンス確保のため、間隔を開けて行われました。白石先生はマイクで音声を拾い、秋山先生はiphoneで映像を大型のスクリーンに流していました。
手を動かし試作や工作に慣れることで発想の幅を増やすことを目標とし、段ボールでたくさんの作品を制作していたのでご紹介!
竹鼻健人くん(私立佐久長聖高等学校出身)はカメラのモックアップや段ボールのクレーン車などを制作。端にランプをつけることでオブジェとしても可愛らしい作品を作りました。
片平 彩乃さん(大阪府立淀川工科高等学校出身)は目が光る猫ランプを制作。
授業最後、自分たちが制作した作品を綺麗に残せるようにするため撮影スタジオが設置され、作品撮影も行われました。
井上葉月さん(兵庫県立明石城西高等学校出身)制作 りんご型のランプ
モックアップカメラ
左から水野亮太君 ( 福井県立敦賀高等学校出身)竹鼻健人くん(私立佐久長聖高等学校出身)江草采音さん(京都精華学園高等学校出身)
試行錯誤する段階が終われば、自分の作品を制作するだけでなくいかにして人に見せるかも考えていかなければならなくなります。
2年生のみんなが次にどのような作品を3年生展に出すのか楽しみですね!
そして3年生はプロダクトデザイン学科との合同授業である「構想設計Ⅲ」でプレゼンテーションと合評を受けました!
平林竜一君 (静岡県立中央高等学校出身)はコロナの影響でテイクアウトの需要が増える中、お店に常設されているスパイスを楽しむ機会が減ってしまったことに注目し、
テイクアウトでも楽しめるスパイスの提供方法をパッケージを含めプレゼンをしました。
普段講評を聞くことが出来ないプロダクトデザイン学科の先生方から意見をいただけたことはとても新鮮でした。
3年生の授業は、2月に行われる3年生展が最後になります。様々なことを経験し考えてきたので展示会でのアウトプットが楽しみですね!
3年生展の詳細については後日またブログで掲載させていただきますのでお楽しみに。
コロナの影響でオンライン授業が多く、今年はあっと言う間に1年が過ぎてしまったようにも思います。
そんな中でも、来年度クロステックデザインコースは完成年度を迎えます!!!
日々進化していくクロステックデザインコースの様子をブログにて配信いたしますのでお楽しみに!
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京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに授業内容の詳細を掲載中!
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クロステックデザインコースでの日々の授業風景、
イベント等はtwitterとInstagramで日々更新中です。
ぜひそちらもチェックしてみてください!
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2020年12月25日 授業風景
みなさん、こんにちは!
クロステックデザインコース研究室です!
本日はクロステックデザイン発展Ⅱの授業をご紹介します。
今回の特別講師は京都芸術大学出身のアーティストであり、自身でも数々な展示会を企画されている石黒健一さんです。
ゲスト講師の先生には通常、zoomで授業を行っていただいているのですが、今回はなんと!
教室を飛び出し、クロステックデザインコースの白石先生と中山先生、そして数名の受講生が、石黒さんが所属する共同アトリエ「山中suplex」にお邪魔しました!
入り口にある立て看板
大学から「山中suplex」までは車で10分程度ですが、
京都の隣の滋賀県の山中に位置しているとあって、近くて遠い感じが秘密基地のようで少しワクワクします。
石黒健一さん含め「山中suplex」は、元々7人の関西エリアにある芸術大学出身のアーティストが集まって作った共同アトリエです。メンバーの入れ替わりもあり現在は12人のアーティストが所属しています。
所属アーティストの多くが彫刻学科出身で、大学卒業後に騒音トラブルや制作の際に出る粉塵の問題によって制作環境を整えることが困難であったことをきっかけとして設立されたそうです。元々土建屋さんだった建物を借り、電気水道を引くところから始めて、現在ではネット環境も整えられ、3Dプリンターや大判プリンター、旋盤(金属加工機)など様々な機材を取り揃えた共同アトリエとして、様々なアーティストの活動を支えているそうです。
共同スペースのリビングで授業を受けました。本は持ち寄ったりアトリエで買ったりするそうです。
「山中suplex」は「創作の自由を守り、困っている作家がいれば受け入れる」という理念を掲げ、同じ境遇のアーティストを助けたいという思いから、海外のアーティストの作品を制作することもあるとか。
またアーティストやキュレーターのパワーバランスが水平的であることから、個々の強みを生かし、展覧会やキュリエーション、インストール作業まで網羅的に行うことが可能になったといいます。
広い敷には作品が転がっている
展示会のプレビューができるようにとホワイトキューブ(美術館やギャラリーで余分な凹凸や装飾が無い「白い天井に白い壁という白い立方体」の空間内に展示する方法)の空間が存在している
山中suplexは様々な展示会を開催してきましたが、中でもコロナ下で行われたドライブイン形式の展示会が話題となり、瓜生通信でも先日記事が出たばかり。
今回取材させていただきた石黒健一さんもそのアーティストの一人。
2008年に京都芸術大学の(当時)彫刻専攻卒業して大学院に進むも、しばらくはジュエリー工房やマシニング工場などで働き、3DCADやCNCといった専門的な技術を習得されたそうです。その後関西に戻り、再度京都芸術大学の大学院グローバルゼミを卒業後、山中suplexを立ち上げたとのこと。
手探りで施設財団の助成金を工面し、展示や作品制作を続ける方法を探り、将来的には海外のレジデンスで発表をしていければと考えておられるそうです。
社会人にとって、常に面白くチャレンジングなことを続けていくことは、場所や時間的制限のため難しく感じられます。
クロステックデザインコースでも、今までにない価値観や社会の形を考えて実現すべく、awabar kyotoの起業を行なって切磋琢磨している真っ最中です。
自分たちの求める生き方を現実化する先輩逹を目の当たりにし、良い刺激をたくさんいただいた授業でした。
また何か楽しい授業がありましたらレポートいたします!
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2020年12月3日 授業風景
こんにちは!
クロステックデザインコース研究室です。
今回は3回生対象の「クロステックデザイン発展Ⅱ」の授業の様子をお伝えします!
「クロステックデザイン発展Ⅱ」を担当しているのは、中山先生と白石先生。自分の手を動かして習作(絵・彫刻・音楽などで、練習のために作ること)を制作し、芸術表現やアートの観点を学ぶ授業です。
観察力を鍛え、多角的な解釈を行うことで、芸術大学ならではの発想力と思考力を身に着けます。
今回は白石先生と中山先生のそれぞれが担当された合評の様子をレポートします!
まず、白石先生の授業からご紹介します。
課題は、既存の絵画を選び、観察を元に自画像を制作するというもの。
有名な画家の絵や作品を観察し、アウトプットすることで、作者の価値観や観点を読み解くことを目的としています。
合評に向けて各自が制作し、簡単な作品展示を行っていきます。
仮の展示でも水平はしっかりとりますよ。
今回は作品をただ並べるだけでなく、キャプションも制作し、テキストと作品のバランスやアプローチの方法などを考えていきます。
常にPCで作業するクロステックデザインコースの学生が、絵画を眺める姿は珍しいですね!
こちらの黒木りみ(熊本県立大津高等学校出身)さんの作品は、エキソニモの《A Web Page》を参考にして制作したもの。
エキソニモは当時の“Google”のポートレートを描いたのではないかと考えた黒木さんは、同じような方法で自分を客観視してくれるものを探し、エコー写真を展示しました。
伊東直輝 君(静岡県科学技術高等学校出身)の作品Two egoは、自分の失った親知らずと、「ミロのヴィーナス」や「サモトラケのニケ」の失われたパーツとをシンクロさせています。親知らずが抜け落ちたばかりのような写真も、インパクトが強いですね。さらに、自画像というキーワードから、自我とは何かということを導き出そうとチャレンジもしていました。
zoomとその機能を使って新たな作品形態に挑戦している学生もいました。
オンライン授業が日常化した中で、メディアアートのような表現が出てきたことも興味深く思いました。
次は中山先生が担当された課題「フードアート」です。
「フードアート」という大きな枠組みに対し、学生が何を考えて表現していくのかが、この課題の面白さです。
まずは、「食べる」ということに着目した浅田優月(京都府立嵯峨野高等学校出身)さん。
食べ物がまさに体の一部になろうとする、食べるという行為そのものを撮りたかったという浅田さん。「食べる」という行動で確実に変化しているもの、しかし私たちが認識出来ないものを、クロステックデザインコースのボディスキャンで撮影しました。
買い物から帰ってきて、やっぱりバナナではなくてミカンにすればよかったと悔やむ。そんなちょっとした後悔から、高島草太君(兵庫県立姫路南高等学校出身)は幾千もある人生の選択肢の一つを誤ってしまったとしても、そこに希望を見出すこともできるのだといいます。
中山先生の授業開始時にはすでにオンライン授業が行われていたため、教室での合評はできませんでしたが、それを逆手にとって講評中に「 紅葉狩り」をした伊東直輝 君(静岡県科学技術高等学校出身)。固定化された紅葉狩りのイメージを変えるべく、数日前に「狩った」落葉を塩漬けにし、美しい紅葉を見ながら食べるというパフォーマンスをzoom上で行いました。
クロステックデザインコースは主に起業やスタートアップに特化したコースではありますが、芸術大学であることを強みに現代アート作品を作る試みも行っています。
というのも、サービスの提供であれ、企画の構想であれ、はたまたスタートアップであれ、そこには常識破りな閃きが必要だと考えているからです。
クロステックデザインコースは学生たちに、ロジカルな計画実行力と、新しい閃き、そして様々な価値観を理解する心をもった大人になって欲しいと考えています。
また面白い授業がありましたらブログにてお伝えいたします!
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初めての、1day!! 芸大体験
芸大への進学を迷っている人、「私でも大丈夫かな」と自信を持てずにいる人、コースを決めることができない人にぜひ参加して欲しいと思っています。
はじめは不安で分からないことだらけかも知れませんが、一歩を踏み出すことで先が見えてきます。
そんな皆さんのはじめてを応援します。
日程:2020年12月12日(土)13日(日)20日(日)
会場:京都芸術大学 瓜生山キャンパス
予約はこちらから!
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2020年11月26日 授業風景
みなさん、こんにちは!
クロステックデザインコース研究室です!
本日は「UI/UX論」にゲスト講師として参加くださった西原英里さんの授業をお伝えいたします。
先生は武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科を卒業され、IT系事業会社にてUI/UXデザインを担当。その後デサイン会社にてデザインリサーチを経験、現在はUI/UXやデザインリサーチを軸に様々なプロジェクトで活躍されているそうです。
そんな西原英里さんは今回、自分に合った新しい働きかた「UXデザイナーとしてコミュニティーの中で働くということ」についてお話しくださいました。
一口にUI/UXデザイナーと言っても、様々な働き方があると西原英里さんはおっしゃいます。
例えばIT系事業会社の場合、自社プロダクト開発・運用がメインの仕事となるため、1つのプロダクトに長期間関わるお仕事になるそうです。チームの関係性の良さや、ユーザーのフィードバックを直接得られるメリットがある一方、場数を踏みにくいことがデメリットだと西原さんは考えます。
西原さんはご自身の経験として、株式会社サイバーエージェント時代に関わられていたアメーバピグのお仕事を挙げられました。
西原さんは当時アメーバピグ内で行われる様々なプロジェクトでデザイン制作をされていたそうですが、アメーバピグのテイスト以外のデザインを行う機会が少なかったため、デザイナーとしての経験値の低さを感じてしまっていたとのこと。
その後西原さんは、いわゆるクライアントワークをメインに行うデザイン会社に転職され、仕事内容に大きな違いがあると感じられたそうです。短期間で複数のプロジェクトに関わる転職先のデザイン会社では、新規でデザインを制作したり、多種多様なデザイナーとの関わりの中で、多くのデザイン経験をすることができたそうです。一方、提案止まりになってしまうことや、ユーザーからのフィードバックが直接得にくいことはデメリットだと感じていました。
デザイナーとして働く傍らで、コミュニティーやワークショップにも多く参加していたという西原さん。そこでも様々な作品に関わってこられました。
福井のお弁当屋さんに提案した新商品
デジタルサイネージを用いて手洗いの方法を紹介する作品
IT系事業会社とデザイン会社で働いたり、コミュニティーやワークショップに参加したりしているうちに、西原さんは徐々に自分が求めている働き方を見つけることができるようになったとおっしゃいます。
西原さんが見つけた自分に合った「働き方」とは、コミュニティーの繋がりから仕事を作っていくこと。そうした働き方には、コミュニティー内での関係性が既にあるため、「できること」だけではなくその人の人となりや価値観もシェアされていることが多く、コミュニケーションがスムーズで対等な関係を作り出しやすいことが魅力だそうです。
良いものを作るためにはスムーズにコミュニケーションがとれることが重要だと考える西原さんは、現在はこの方法でお仕事をされているそうです。
新しい仕事との関わり方を見つけた西原英里さんはなんと、アメリカで開催される大規模イベント「バーニングマン」へも参加されたそうです!「バーニングマン」での体験は、「金銭的なやりとりを超えて、自分がコミュニティに対して何をGiftできるのかを考える」という、コミュニティーに関わる上での大切なマインドセットを学んだそうです。
バーニングマンでのテクノ法要のパフォーマンス(Photo by Nobuhiko Otsuki)
現在、コロナの影響で働き方そのものが変化しつつあります。
どんな状況下であっても、自分が好きな仕事を続けていくための工夫を欠かさず、楽しく仕事をしていきたいですね!!
また面白い授業がありましたらブログでご紹介いたしますのでお楽しみに!!
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初めての、1day!! 芸大体験
芸大への進学を迷っている人、「私でも大丈夫かな」と自信を持てずにいる人、コースを決めることができない人にぜひ参加して欲しいと思っています。
はじめは不安で分からないことだらけかも知れませんが、一歩を踏み出すことで先が見えてきます。
そんな皆さんのはじめてを応援します。
日程:2020年12月12日(土)13日(日)20日(日)
会場:京都芸術大学 瓜生山キャンパス
予約はこちらから!
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2020年11月16日 授業風景
こんにちは!
クロステックデザインコース研究室です。
今回は3回生対象の「プランニング・プレゼンテーション」の授業の様子をお伝えします!
「プランニング・プレゼンテーション」は、企業や自治体が抱えている問題に対し、リサーチ、問題解決の提案、企画書の作成、プレゼンテーションなどを、短いスパン(基本的に5週間1サイクル)で全て一人で取り組むという授業です。
2回生まではグループワークで行ってきたことを、3回生になると1人で完結させることを求められ、また課題そのもののハードルも上がってきます。
今回は産学連携の企業のみなさまにへの発表だったため、学生達の面持ちにも緊張が浮かんでいました。
はじめにご登場いただいたのは、 丸石製薬株式会社のみなさま。
丸石製薬株式会社さまからの課題は、新型コロナウイルスに限らず、多くの感染症予防のために、「どのように手指衛生の行動変容が起こせるか」というもの。
この課題に対し提案を行ったのが以下の3名の学生でした。
遠藤和奏さん(大阪産業大学附属高等学校出身)
高島草太くん(兵庫県立姫路南高等学校出身)
平林竜一くん(静岡県立中央高等学校出身)
高島草太くんはこの問題をナッジ理論を用いて提案をしました。
ナッジ理論とは「小さなきっかけを与えて、人々の行動を変える戦略」です。
高島君はナッジ理論において強制しない、選択の余地があることに注目し、不快な思いをさせないで行動変異を起こせないかと提案。例えば、手指衛生率が上昇した事を数字で表し、上がっていく数字を目にすることをきっかけに行動変異を起こすという方法や、アルコールが設置されている場所付近の床に飛石のようなステッカーを貼って視覚的に誘導する方法などを発表しました。
遠藤和奏さんは近隣のドラックストアなどへ自ら足を運んでリサーチを行いました。そのリサーチの中で遠藤さんは、手指消毒が頻繁に行われている場所とシチュエーションを分析。エレベーターの前など待ち時間があるところで消毒が行われやすいことや、適度な高さの台に設置されていることの重要性についてプレゼンしました。
平林君はアルコール消毒液の周りにある問題を整理し、スティッキー性の法則を応用してポスターやポップを利用する方法を提案しました。
スティッキー性の法則は、人々の意識に張り付きやすい広告や商品のデザインを6つの要素に分けたものです。清潔さ、意外性、具体性、信頼性、感情起伏力、そしてストーリー性が挙げられており、平林君の提案もその理論に基づき行われました。
例えば、手指消毒の多くのポスターで使用されている青色をあえて使用せず、ピンク色を使ったり、ポスター内で手指消毒のパーセンテージを数字でしっかりと表示し、アルコールを手の上でハート型にしたりといった工夫も加えました。
また、4コマ漫画などをポケットテッシュなどに挟んで配布することで、より人の心の記憶に残る方法を提案していました。
平林君が制作したプロトタイプ。アルコール消毒を題材したほんわかした4コマ漫画。
平林君はプレゼン資料のみならずプロトタイプも制作し、プレゼン資料として提示していましたよ!
プレゼンテーション後には、丸石製薬のみなさまから、今までは自分たちも感覚的に行っていたものを、学生がリサーチし言語化・可視化したことへのお褒めの言葉をいただきました。
配布物に4コマ漫画を付けるといった、直接的にアルコール消毒を推進したものでなくとも行動変異が起こせる可能性に驚いていらっしゃいました。
次は、高田雛子(滋賀県立大津高等学校出身)さんが、株式会社アロマジョインさまにアロマシューターを使ったサービスを提案しました。
まず、すでに発売された商品を事例として分析した上で、生活リズムに香りを活用するアプリサービスAroma Lifeや、絵画に描かれているイメージや色と同期して香りを生成し、鑑賞体験をより豊にするアイディアなど、多角的方面からのアプローチの提案を行いました。
香りの中で絵画を鑑賞することで、細部の描写に気づき記憶に止めることが可能になるだけでなく、数百年前の描かれた絵画を瑞々しく感じることも可能になるかもしれませんね。
また、例えば起床時間に香りをセットしておき、朝コーヒーの香りで目覚めるなど、ちょっと贅沢な1日のスタートを切るなんてことも想像ができます。
視覚情報が多い中、もし嗅覚の情報が加えられたら私たちの生活はもっと豊かな物になるでしょう。
最後に、まだまだ未熟な企画も、リサーチとアイディアのブラッシュアップを繰り返し行えば良い物にできると、吉田先生から叱咤激励の言葉が学生に送られました。
厳しいようにも聞こえますが、3回生は就職を目の前にして、先生方の指摘も厳しくなってきます。今までは初めてのことに挑戦することが評価されていましたが、これからは良いものを生み出し、他との差別化が出来るアイディアを出す方法を学んでいきます。
また、一人で企画プレゼンを行うことで、自分の弱みだけではなく強みを見つけるチャンスになり、何もでもなかった自分が近い将来どんな人になれるのか想像を膨らますきっかけになります。
クロステック1期生が3回生に成り、気がつけばもう後期授業の真っ只中です。
驚くほど早く年月は過ぎています。
これから今の3回生がどうなるのか少し心配な気持ちもありながら、同時に期待を持って見守っていきたいですね。
また面白い授業がありましたらブログでご紹介いたしますのでお楽しみに!!
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京都芸術大学は、今アジアで最もエネルギーを持って動き続ける大学であるという自負があります。
通学部13学科23コース、通信教育部4学科14コース、大学院、認可保育園こども芸術大学。
世界に類を見ない3歳から93歳までが学ぶこの大学は、それぞれが溢れる才能を抱えた“プロダクション”のようなものです。
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とどまることなく動き続ける京都芸術大学の“プロダクション”の数々。
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