大学院

四方田犬彦 講演 「この世の栄光の終り」 

京都造形芸術大学大学院学術研究センター公開講座

 

司会=浅田彰(京都造形芸術大学大学院学術研究センター所長)

 

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7月11日(木)に開催された大学院学術研究センターの公開講座の様子です。

 

四方田犬彦さん(映画・比較文学研究家)

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ルイス・ブニュエル(1900-83)は、スペインに生まれ、シュルレアリスム運動に参加した後、メキシコに亡命。

後にパリを拠点として、32本のフィルムを遺した映画監督である。フェティシズムと無政府主義的情熱、異端神学への関心とサド譲りの無神論、狂気の愛とブルジョワジー批判。ブニュエルの築き上げた宇宙では、狂気と聖性、生物学主義とメロドラマが混然一体となっている。

セビリア大会堂にあるファン・バルデス・レアルの絵画『この世の栄光の終り』こそは、ブニュエルにとってもっとも大きな霊感の源であった。

今回は1960年代初頭に彼が相次いで発表した『ビリディアナ』『皆殺しの天使』を中心に、破瓜、死の天使、乞食の饗宴といった主題がいかに展開されていったかを検証する。無神論を標榜するにもかかわらず、宗教的法悦の表象に終始するブニュエルの意図するところは、はたして何であったか。

(※フライヤーより抜粋)

 

■講演者:四方田犬彦 Yomota Inuhiko プロフィール

 

映画・比較文学研究家。長らく明治学院大学教授として映画史を講じ、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、中央大学校(ソウル)などで客員教授、研究員を歴任。映像と言語芸術、都市論を主題に批評と研究を続けてきた。

著書が120冊を超えるが、近著に『マルクスの3つの顔』(亜紀書房)、『ルイス・ブニュエル』『見ることの塩』(作品社)、『〈かわいい〉論』(筑摩書房)、『先生とわたし』(新潮社)がある。サイード、ダルウィーシュ、パゾリーニを翻訳。サントリー学芸員、桑原武夫学芸賞、伊藤整文学賞などを受賞。京都造形芸術大学大学院学術研究センター客員研究員。

 

 

 

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