文芸表現学科

ファッションライターに挑戦!?──私から贈る、服と人の物語【在学生が執筆しました!|文芸と社会B】

こんにちは、文芸表現学科です!

 

文芸表現学科の社会実装科目「文芸と社会」Bクラスは、学生が自ら体験した活動や作品を広報記事として執筆するエディター・ライターの実践の授業です。企画・調査・取材から執筆に至るまで、学生が取り組んだ成果を、担当教員の監修のもと学科ブログにて公開していきます。

 

それでは、学生の執筆記事をお楽しみください🙌

 


ファッションライターに挑戦!?──私から贈る、服と人の物語

 

 

こんにちは! 文芸表現学科2回生の樫尾さくらです。

突然ですが、私、初めて「ファッションライター」に挑戦してみました!

 

私はいろんな系統の服が大好きで幼い頃からオシャレをして出かけることが好きでした。それは大学生になった今も変わりません。そのため、一度はファッション記事を書いてみたい!という憧れがありました。

……とはいえ、今回私がファッションを通して書きたいのは、トレンドを語ったり、ブランドを紹介したりする記事ではありません。

文芸表現学科で日々学んでいるのは、「人を言葉で描くこと」。

そんな授業の中で、大学の学科ブログの記事を書く課題が出されました。せっかくなら、文芸だからこそできる記事を書きたい。そう考えた私は、「服」だけを見るのではなく、「服を選んだ人」を見つめてみることにしました。

 

私の通う京都芸術大学には、思わず目で追ってしまうようなおしゃれな学生がたくさんいます。

「その服かわいい!」

「どこで買ったんだろう?」

そんなふうに思うことはあっても、「なぜその服を選んだの?」「どんな思いが込められているの?」と聞く機会は、意外とありません。

でも、お気に入りの一着には、その人の好きなものや価値観、憧れ、過去の思い出、そして未来への想いまで、たくさんのものが詰まっているのではないかと思いました。

 

今回は、ファッションが好きな四人の学生にご協力いただき、お気に入りのコーディネートと、その奥にある想いをインタビューしました。

それでは、初めてのファッションライターへの挑戦のスタートです!

 

 

「常に自分に素直でいたい!」──山本優衣さん

最初にお話を伺ったのは、舞台芸術学科 演技・演出コース2回生の山本優衣さん。

 

この日は、淡い色合いのコーディネートに、トップスのタンクトップを星形に絞ったアレンジや高校時代の家庭科の授業で作った手作りのナップサックで可愛らしい雰囲気にまとめていました。このナップサックは、アヒルのデザインを模しているそうで、アヒルさんは指と指をくっつけた、いわゆる『気まずいポーズ』をしているというユニークで可愛らしいデザインになっています。また、夏ということもあり、ノースリーブのトップスやミニスカートなどヘルシーに肌を見せつつ、さりげない小物で個性を添えるのが山本さんのお気に入りのスタイルだそうです。

 

──コーディネートするうえで、気をつけていることはありますか?

「昔はとにかく派手なものが好きだったけれど、今は自分の好きな要素を詰め込みつつも、くどくなりすぎないようにしています!」

 

 

高校時代はカラフルな服装が多かったという山本さん。現在はシンプルなシルエットをベースに、小物で自分らしさを表現するスタイルへと変化しました。好きなものを詰め込みながらも、全体のバランスを考える。その感覚は、彼女の表現への向き合い方そのもののように感じます。

 

──山本さんにとって、ファッションとは何ですか?

「ファッションは“ただ着るもの”ではなくて、自分自身を表すものなのかなって思っています」

 

山本さんは、高校時代から芸術分野を学び、現在は舞台の世界で表現を学んでいるそうです。「物で表現するより、自分を通して表現したい」という言葉も印象的でした。ファッションも演技も、自分という存在を通して表現するという点で、彼女の中では一本の線でつながっているのだと感じます。

 

──今後、どんな自分でありたいですか?

「常に自分に素直でいたいです。自分の意志は曲げたくないなって思います」

 

将来の夢はまだ模索中だそうです。それでも、その言葉からは、自分の「好き」を信じ、自分らしく生きようとする強い意志が伝わってきました。私は、山本さんの話を聞きながら、「ファッションは服ではなく、その人自身を映し出すものなのだ」と改めて感じました。

 

 

 

 

「レイナというジャンルでありたい!」──井岡玲奈さん

続いてお話を伺ったのは、情報デザイン学科 映像クリエイションコース2回生の井岡玲奈さん。

 

この日のコーディネートは、玲奈さんの大好きなブランドだというVAQUERA NYCのパンツにUNIQLOのシンプルなトップス、New Balanceのスニーカーを合わせたお気に入りのスタイルを見せてくださいました。このVAQUERA NYCのパンツはお洒落な分、少し高価なものらしいですが、井岡さんは初めて自分のお小遣いを大胆に使って購入したという思い出のアイテムだそうです。また、アクセサリー等はあえてつけない飾らないおしゃれを追求しており、それぞれのブランドの魅力を生かしながら、自分らしい組み合わせを楽しんでいると話してくださいました。

 

──コーディネートのこだわりポイントはありますか?

「好きなブランドのアイテムを取り入れたり、『このブランドにはこのブランドを合わせたい』っていう自分の中でのこだわりがあります」

 

他の方に比べて、井岡さんはブランドへのこだわりをたくさん教えてくださいました。ブランドごとの個性を大切にしながらも、「かわいい」だけでなくシルエットや全体のバランスまで考える。その細やかなこだわりからは、井岡さんならではの美意識が感じられました。

──玲奈さんらしいファッションとは、どんなものですか?

「ジャンルに囚われたくなくて、いろんな系統のアイテムを1つのコーデに取り入れています。『可愛いガーリー系』とか『サブカル系』とかではなく『レイナ』というジャンルでありたい!」

 

何かとジャンル分けすることが多くなった世の中ですが、そんな中で流行や枠組みに自分を当てはめるのではなく、自分自身が一つのスタイルになる。その言葉には、ファッションを通して「自分らしさ」を表現したいという思いが込められていました。

──将来の夢を教えてください。

「自分のブランドを立ち上げて、その服を着た人には『かわいくなってほしい』って思います」

 

井岡さんは、ファション領域の学科ではない場所で勉強をされていますが、自分自身のことだけでなく、他の人にもファッションを届けたいという思いがあるそうです。ファッションは、自分を表現するだけではなく、誰かを笑顔にすることもできる。玲奈さんの話を聞きながら、服には作り手や着る人、それぞれの思いをつなぐ力があるのだと感じます。

 

 

 

 

「服に背中を押してもらっている」──大澤朱莉さん

 

続いてお話を伺ったのは、空間演出デザイン学科 ファッションデザインコース2回生の大澤朱莉さん。

 

この日は、ウェーブタイプの骨格に合わせてコンパクトなトップスとゆったりとしたパンツを選び、裾をブーツに入れることでシルエットに変化をつけたコーディネートを見せてくださいました。さらに、夏は半袖が多くなることから腕が寂しい雰囲気になることを避け、時計などのアクセサリーを合わせるなど、細かな工夫が光っています。

──ファッションを好きになるきっかけは何ですか?

「『プラダを着た悪魔』を親に勧められたのがきっかけです!」

 

影響を受けたのは、まさかの映画作品だったようです。中学生の頃、ご両親に勧められた『プラダを着た悪魔』。内容はもちろん、出てくる登場人物のファッションがお洒落で、そこからファッションに興味を持ち始めたようです。今はファションデザインコースでお勉強をされている大澤さんですが、その要素に映画作品が入っていたことに驚きました。

 

──コーデを組むうえで意識していることは何ですか?

「パーソナルカラーとか骨格とか、自分に似合うものが何なのかというところをかなり意識して組んでいます」

 

好きな服を選ぶだけではなく、自分に似合う色やシルエットを知ったうえでコーディネートを組み立てる。大澤さんの自分に似合うものを研究するスタイルならではの視点が感じられました。ファッションを学ぶ中でも、最近では耳にすることが増えた「骨格タイプ」や「パーソナルカラー」は大きな鍵になっているようです。

 

──今のファッションには、どんな思いが込められていますか?

「自分がおとなしい性格だからこそ、あえて強気に見えるような服を着ています」

 

インタビューの際も、優しく少し大人しい印象を受けた大澤さんですが、今回見せてくださったのは、クールで力強い印象のコーディネートです。大澤さんにとって衣服は、ただ着飾るだけではなく、自分の背中を押してもらうお守りのような存在にになっていたのです。服は着る人の性格をそのまま映すものではなく、「こうありたい自分」を作っていく要素にもなっていると気付かされました。

 

 

 

 

「ファッションを通じてこその出会いがある!」──野川旺輝さん

最後にお話を伺ったのは、空間演出デザイン学科 ファッションデザインコース2回生の野川旺輝さん。

 

この日は、グリーンやブラウンなどを基調としたヴィンテージアイテムを中心に組み合わせたコーディネートを披露してくださいました。亜熱帯がテーマだそう。靴や帽子などの小物にもこだわりがあるそうで、今回、持ってきてくださったアイテムは使い勝手が良かったり、コーデを引き締めてくれるポイントになっていたりするそうです。野川さんはご両親の影響もあり1990年代後半から2000年代初期にかけてのアバンギャルドな服装がお気に入りだそうです。自分の好みを、時代ごと取り入れている印象を受けました。

 

 

──1990年代のファッションに惹かれる理由はなんですか?

「両親の影響もあり、現代とはまた違う、自分の表現したいことにどんどん挑戦している時代のファッションに惹かれました!」

 

話を聞くと、1990年代はデザイナーの思想を反映させたものが多く、今よりもずっと奇抜で活気があるファッションが多かったそうです。若手のデザイナーも盛んに登場した時代だそう。野川さんのご両親が、1990年代のアイテムを多く持っていたことから、幼少期からの馴染みでもあり、心にスッと惹かれていったそうです。

──コーディネートを考えるうえで、大切にしていることは何ですか?

「派手に見えるかもしれませんが、色や形など全体のバランスを見ながら考えています」

 

野川さんはファッションデザインコースで、洋服の勉強をされていますが、アイテム一つひとつの魅力だけでなく、それらをどう組み合わせるかを大切にしていると話してくださいました。色の組み合わせや形の組み合わせ、アイテムの差し込み方など、服は単体では得ることのできない新たな表情を見せるのだそう。

 

──ファッションを通じて得たものはありますか?

「ファッションを通じて新しい友達ができたり、以前からの友達とファッションを楽しんだりして充実した日々を得られました!」

友達にファッションを教えて、実際それで友達がファッションにハマってくれたこともあるそうです。服装をきっかけに会話が生まれたり、同じ趣味を持つ人とつながったり。野川さんは、ファッションは自分を表現するだけではなく、人と人とを結びつけるものだと話してくださいました。ファッションは新しい出会いの入り口にもなっているかもしれませんね。

 

 

 

終わりに…

四人へのインタビューを終えた今、私はファッションを見る目が少し変わりました。

今回お話を伺った四人は、それぞれ全く違う価値観を持っています。

「自分に素直でいたい」と語ってくれた山本さん。「『レイナ』というジャンルでありたい」と話した井岡さん。自分に似合う服を知り、「背中を押してもらっている」と笑顔を見せた大澤さん。そして、「ファッションを通じて新しい出会いがあった」と話してくださった野川さん。

同じ「ファッション」というテーマでも、その向き合い方は一人ひとり違います。しかし、どの言葉にも共通していたのは、「服はその人自身を映している」ということでした。

私はこれまで、「かわいい」「おしゃれ」という視点で服を見ることがほとんどでした。ですが、今回の取材を通して、一着の服にはその人の価値観や人生、そして未来への思いまでが詰まっているのだと改めて感じることができました。

 

この記事は、そんな四人から受け取った想いを、言葉という形にして贈る小さなプレゼントです。

皆さんもこれから誰かの服を見たとき「どんな思いでその服を選んだのだろう」と少しだけ想像してみてください。きっと以前よりも一層素敵に見えるはずです。そして、あなた自身のファッションもより楽しいものになりますように。

 

 

(構成・執筆:文芸表現学科2年 樫尾さくら)

 

 

 

 


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