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和の伝統文化コース 小俣 明子

 着物が好きなので織物をテーマに選んだ。銘仙という明治から昭和にかけて大流行した絹織物に着目し、なぜ大流行したのかを調査した。大正14年のある調査では、銀座を歩く女性の50.5%が銘仙を着ていたとあり、これには開港による西洋文化の流入や、百貨店の流通の発展などいろいろな要因があった。その中でも買継商という仲介業者が関東の織物産地に存在し、大きな役割を果たしていたことに注目した。八王子織物においては、買継商が機屋とともに百貨店などで流行の柄などの選考を行なっており、単なる仲介業者ではなく多岐に渡る役割を果たしていたことがわかった。
 
 銘仙は製糸する際に出る屑玉などを使用した安価な着物である。西洋化により輸入された染料を使い、色鮮やかでデザインも和洋折衷の大胆な柄が特徴である。先日も弥生美術館で銘仙展が開かれ、着物を着た女性がたくさん訪れていた。
 関東織物産地の変遷について八王子織物を中心に調査したが、現在、着物文化の衰退は周知のとおりであり、各織物産地における伝統工芸品の織物の存続が課題となっている。魅力ある銘仙も細々と織られるのみとなり、着物文化の継承を考えさせられた調査であった。


関東織物産地の変遷 -八王子銘仙における買継商ー

東京都

小俣 明子

和の伝統文化コース

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