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芸術学コース 安尾 里江【コース奨励賞】

 私は、卒業研究で明治期の浮世絵師小林清親を取り扱いました。きっかけは、大学の「芸術論I-3 芸術鑑賞1」の課題で、歌川広重の「東海道五拾三次 日本橋・朝之景」と小林清親の「東京名所図 日本橋夜」を比較したことです。同じ場所を題材にしながら、広重は大名行列を、清親はガス灯や人力車を描いており、その変化する街並みと新技法で描かれた作品に惹かれ、彼を卒論として扱うことを決めました。
 テーマを絞り込みには苦労しました。最初は、蒸気機関車を軸に浮世絵以外の作品も取り扱ったり、逆に清親が内国勧業博覧会に出品した作品に限定したりなどしましたが、範囲が広すぎたり狭すぎたりして行き詰まりました。その後、「東京名所図」の西洋技法の受容を考えましたが、多くの先行研究があり、独自性が見出せませんでした。
 最終的に、清親の名所絵「東京名所図」「武蔵百景」「日本名勝図会」がどのように変化したのか、またその一貫性が何かを考察しました。
 卒論を完成させて振り返ってみると、まだ課題は残っていますが、自分なりに結論を導けたことは、大きな成果だと感じています。ここまで導いていただきました先生方に、心から感謝申し上げます。


大阪府

小林清親の名所絵に関する試論 ― その一貫性と「真」の追求

安尾 里江【コース奨励賞】

芸術学コース

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