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歴史遺産コース 久保田 泉

「論文研究」の授業を受講し始めて自分が追いかけてきた「伊藤若冲」について研究してみようと考えた。作品集の解説を読むと若冲自身を投影したと捉えられたモチーフが存在するが、なぜそのような解釈が成り立つか疑問を持っていた。そこで、若冲の絵画にみられる、画中のモチーフに自己投影していると捉えられてきた、また自分が考える作例について、改めて若冲が生きた時代、生い立ちやそれぞれのモチーフが持つ意味、描き方の特徴などから考察した。
金銭的に恵まれる中で、さまざまな技法を学び研究し、ものの姿を観察し尽くして、描きたいものを描いた若冲が「孤高」「異」「求道者」というイメージを一般的に持たれているものとして作品集の解説に書かれていると考えられる。自分の考えた作例では、《菜蟲譜》の大きな蛙は大火からの家業の復興を願い、再生、家の守護を願い自身を投影したと考える。《芦雁図》は芭蕉の句を下敷きに、若冲自身の孤独感・無常観を落ちていく鳥に重ねたと考えた。
問の立て方、有効な資料の集め方、結論に向けての考え方、混乱しがちな私の思考にその時々で的確なアドバイスを下さった加藤先生、岡田先生、に感謝申し上げます。


東京都

伊藤若冲自身を投影したとみられる画中のモチーフについての考察
ー《菜蟲譜》の蛙と《芦雁図》の雁についてー

久保田 泉

歴史遺産コース

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