歴史遺産コース 西井 裕美
子供時代に初めて出会った仏像、それが浄真寺(世田谷区奥沢)の丈六阿弥陀如来坐像(九品仏)であった。私と仏像の出会いの原点である浄真寺を卒業論文のテーマにしたいと考えた。
浄真寺の九品仏像は、開山珂碩上人が十九歳の時に造立を発願、三十数年後に完成、その後浄真寺を建立し丈六阿弥陀如来坐像九?を安置した。その珂碩や弟子らの篤い想いと苦難を知り、ますます浄真寺への関心が深まった。
また浄真寺は関東で唯一、「二十五菩薩来迎会」の法会が三年に一度、現在も行われている寺院である。しかし江戸文政年間にはじまり、中断、明治時代に復興、現在に至っているというが、寺には関連する文献史料が一切残っておらず、詳細な状況が不明である。
「二十五菩薩来迎会」は奈良県當麻寺はじめ現在全国二十か寺(不定期含む)で行われているが、他寺では「来迎」「往生」の往復の行道のみである。しかし浄真寺では《開山珂碩上人像》が浄土から現世に戻り人々を救う「還相」という独自の行道がある。
本論では浄真寺の「二十五菩薩来迎会」の創始の経緯、中断、復興に関する調査・検討及び、《珂碩上人像》を用いた「還相」という独特の行道について調査・検証してみた。
浄真寺(九品仏)二十五菩薩来迎会についての一考察
―その創始と復興を辿る―
神奈川県
西井 裕美
歴史遺産コース
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