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故人を偲ぶメモリアルイラスト

イラストレーションコース 篠木真紀

この絵は、亡くなられた方を「遺影」としてではなく、その方が生きてきた時間、ご家族との幸せな時間を感じる肖像としてとして描いたメモリアルイラストです。
描かれた穏やかな表情は、人生の中で積み重ねてきた喜びや苦労、そして人や生きものへの深い愛情を静かに物語っています。胸に抱かれた猫は、ご本人が生前可愛がっていたペットで、故人と同時期に天国に旅立って行きました。今はきっと天国で一緒に楽しく暮らしていると思います。
人は亡くなっても、その人が紡いだ関係やまなざし、ぬくもりは、形を変えて生き続けます。本作では、その「消えない存在感」を、水を多く含ませた淡い水彩のにじみで表現しました。
強い線や明確な境界を持たないこの描写は、別れの悲しみを強調するためのものではありません。むしろ、静かに思い出し、そっと語りかけるための余白です。見る人それぞれが、自分自身の記憶や感情を重ねることができるよう、あえて曖昧さを残しています。
このメモリアルイラストが、故人を「失った存在」としてではなく、今も心の中で共に生きている存在として思い出すための、小さな場所となることを願っています。写真とは異なるかたちで、人生の温度を伝える一枚です。

篠木真紀

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