カンディンスキーが《コンポジションⅦ》に結晶化させたもの
芸術学コース 藤崎博和
ロシアの画家ワシリー・カンディンスキー(1866-1944年)が生涯で残した抽象油彩画「コンポジション・シリーズ」10枚のうち7作目にあたる《コンポジションⅦ》(1913年)に、何が結実しているのか。それが私の問いです。
「波打つ形態と奔流する色彩の渦」「すべてのモティーフが混沌の渦に巻き込まれた」などと評される、この200×300㎝のキャンバスに何が描かれているのか、画家は作品にどのような思いを込めたのか、これらを明らかにしたいと考えました。
そこで、カンディンスキーの著書『芸術における精神的なもの』を読み込み、そこに頻出するキー概念「内的必然性」を明文化することに努め、画家が自身で行った前作《コンポジションⅥ》(1913年)の図像分析のテキストから、カンディンスキーが自身の作品をどのように捉えていたのかを明らかにしました。これら二つの成果を用いて、本題である当該作品《コンポジションⅦ》の分析を行いました。
《コンポジションⅦ》が成立するまでのカンディンスキーの思索と実践(制作行為)を1913年当時の文脈に置き直し、それらを丁寧に追うことによって、何とか結論に辿り着くことができたのではないかと考えています。
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