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芸術学コース 森 文三子

エリック・カールの代表作、絵本『はらぺこあおむし』は、50 年にわたるロングセラーとなり、今なお愛され続けている。エリック・カールの絵本で最も特徴とされるのは、コラージュ技法を使った大胆な構図と豊かな色彩である。
エリック・カールは、子どもたちの触覚的な経験と、抽象的な経験をつなぐかけ橋となるものを絵本の形にした。本研究では、パウル・クレーのコラージュとアンリ・マティスの切り紙絵から、それぞれが使った手法と芸術家としてのコラージュへの向き合い方を考察し、カールとの共通点を見出す。
コラージュの本質は、他の領域に属していたいくつかの要素が、いったんバラバラになり、他の要素と集まり新たな構成要素となる。カールのコラージュは、多くの芸術家からカールへ、カールから子どもたちへと橋渡しになり、循環するものであることが、本稿での新たな見解となった。コラージュの芸術性は、カールによって絵本を媒体に子どもたちに伝えられる。カールのコラージュは、コラージュという芸術において、クレーやマティスと同等の価値があるのではないかと筆者は考えている。


大阪府

エリック・カールの絵本におけるコラージュの意義

森 文三子

芸術学コース

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