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「飲む」をデザインしなおそう

―Drinking Life Value―

(大学院)グラフィックデザイン分野 熊澤 洋治 (Yoji Kumazawa)

人生100年時代と言われる今、”Sustainable Drinking”(持続可能な飲酒)という概念(個人の健康、社会的関係、文化的背景、環境面の影響などを総合的に考慮しながら、長期的な人々の幸福と生活の質を高める飲酒スタイル)を社会に取り入れる必要があると考えた。愛飲家に対して、お酒を飲むことをやめるのではなく、“どう飲むか”を見直してデザインしなおすことで、未来の社会にも自分にも優しい、飲酒習慣の再構築を目指した。
 
本研究では、飲酒行動を人間の単なるアルコール摂取行為としてではなく、人生における価値生成の1 要素として捉えて研究に取り組んだ。その中核概念として提示したのが、「DLV :Drinking Life Value」である。DLVは、飲酒を通じて個人が人生の中で得る主観的・経験的な豊かさの価値を示す概念であり、本研究においてはその価値を可視化するための指標として位置づけられる。DLVは固定的な数値ではなく、飲酒行動のあり方によって増減する動的な価値であり、その変化を方向づける要因として「飲酒行動の質的転換」が存在する。DLVは、飲酒の価値を数値として測定するための指標ではなく、生活者が自らの飲酒行動を内省し、その質的転換の方向性に気づくためのモノサシとして設計されたコミュニケーションデザインの概念である。
 
そして、本研究で施策として提案する「オトナのたしなみ講座」は、飲酒行動の質的転換のための行動変容を促すための実践的な装置として位置づけられる。講座を通じて参加者は、自身の飲酒行動を多面的に振り返り、DLVを構成する各価値軸への気づきを得ることで、飲酒との向き合い方を再構築していくことが可能となる。

制作関連情報:
ロゴマークは、生成AI Geminiを使用して作成した。左右上部のメインビジュアルのコラージュと右下部の講座キットのグラフィックは、生成AI Copilotを使用して作成した。右下部の体験イベントの画像は生成AI ChatGPTを使用して作成した。いずれも2025年12月14日時点のツールを使用し、プロンプトは著者が設計し、出力されたものを著者が検証した。背景の木樽の画像は、2025年12月18日にAdobe Stockからダウンロードして使用した。

Background / 研究の背景

Core Idea / コアアイデア

Design / デザイン

Execution / 施策

熊澤 洋治 Yoji Kumazawa

(大学院)グラフィックデザイン分野

CONTACT

生まれ育ちは神奈川県で、現在東京都在住。
2021年まで34年間、IT企業にてエンジニア(SE, ITアーキテクト)として活動。2024年3月に京都芸術大学グラフィックデザインコース卒業、ならびに学芸員資格取得。卒業制作は、「自分たちでつくるワイン」のブランディングデザイン。2024年から京都芸術大学大学院にて、コミュニケーションデザイン(社会問題に対してデザインによって生活者の行動変容を促す)を研究。修了研究として「飲酒に関わる社会問題」に取り組み、2026年3月修了予定。
2020年以降、山梨県甲州市勝沼にてワイン用のブドウ栽培活動に従事し、ワイン造りに携わる。趣味はスポーツで、クロスカントリースキー、ウィンタートライアスロン、ドラゴンボートを楽しむ。

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