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運命の休符プロジェクト

STOP:POWER 〜働けなくなる前に、疲労大国に挑むコミュニケーションデザイン

(大学院)グラフィックデザイン分野 熱田 健太郎・戸田 初音・児玉 朱里

本研究は、「確実に起こる社会問題」に向き合うことを出発点に制作研究を行った。少子高齢化と労働人口の減少が進む日本社会において、労働力が求められる一方で、「働けるのに働けない」状態に置かれている人々が一定数存在している。私たちはその背景に、疲労を抱えながら休むことができず、消費されるように働き続けてしまう社会構造があると考えた。そこで本研究では、「疲れたら休む」という行為を、個人の意思で選び取れるようにするためのコミュニケーションデザインを検討した。

本プロジェクトでは、「休む」ことを直接的に訴えるのではなく、音楽における「休符」を比喩として用い、休息の価値を直感的に伝える方法を採用した。映像作品「もし、ベートーヴェンに『休符』がなかったら」では、交響曲第5番「運命」をモチーフに、休符のない世界と休符のある世界を対比的に描いている。休符を失った演奏が崩壊していく様子を通じて、休むことは単なる停止ではなく、リズムを取り戻すために不可欠な要素であることを表現した。

映像作品に続く形で、他者の休符を閲覧し、自身の休符を「休符宣言」として投稿できる体験型Webプラットフォームを制作した。映像による価値訴求と、行動につなげるための場を組み合わせることで、休息を可視化し、語れるものへと転換することを試みた。体験後のアンケートでは、参加者の約7割が休息の価値の変化を感じ、8割強が今後の休み方に影響があると回答した。

体験型Webプラットフォーム「休符宣言」。イメージ画像:Firefly/ NanoBananaで2025年12月17日に生成した画像を加工・編集。挙動は外部Webサイト参照。

画像・映像:Firefly / NanoBanana / Veo 3.1。著者設計のラフ案をAIで具現化し、加工・検証。音楽:ロイヤルティフリー楽曲を編曲。2025年12月15日、著者出力。

熱田 健太郎・戸田 初音・児玉 朱里

(大学院)グラフィックデザイン分野

CONTACT

チーム「再出発」
2025年度修了、コミュニケーションデザイン領域専攻。グラフィックデザイン分野の戸田・児玉と、映像デザイン分野の熱田による3名のチーム。修士1年次の演習での出会いを経て、2025年に現在の体制で再出発した。

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