繋がりと監視、焦点の中に
イラストレーションコース 三輪優真 (yuma)
2800×1708 (px)
現代の社会では、SNSやスマートフォンの存在が日常的になり、人々が容易に電子的な「繋がり」をもつようになった。その一方で、常に監視されているという「繋がり」の一面によって、個々人が「記録される」ことが増えたように思う。そこで、現代の「見ること」「残すこと」をテーマにその状態(現代)をイラストで表現し今を生きる機械的なリアルを訴えかけたい。
本作品は、巨大なカメラレンズの内部に落ち込むような構図を通して、「見ること」と「残すこと」が同時に作用する現代の社会構造を描いていた。被写体はレンズの中心でこちらを見上げ、撮られる側でありながら視線を返す存在として配置し、記録されることへの不安や抵抗、そして承認への欲求が交錯する状態を象徴しつつ、あくまで中立の立場を表現した。周囲に散乱するデータや機械的な要素は、個人の記憶や感情が数値や情報へと変換・記録されていく過程を示し、カメラが「真実を写す目」であると同時に「現実を切り取る暴力性」を内包していることを示唆する。残す行為は記憶の保存であると同時に現在を過去へ押し流す選択でもあるという矛盾を、この作品を通して視覚的に問いかけたい。
規則的な並んだRGB色の背景。RGBはテレビやスマホに用いられる光の配色であり、この3色でほぼ全ての色を再現することができる。デジタル空間における世界の成り立ちとして背景に起用した。
三輪優真 yuma
イラストレーションコース
私はイラストレーションを「出来事を描くもの」ではなく、「関係性を可視化するもの」だと考え制作しています。卒業制作では、我々の日常生活の中で無意識的に行われる“見る”という行為や、“残す”という選択に違和感を持ち、それらが同時に作用する現代の社会構造、その関係性をテーマにしています。イラストは装飾ではなく、問いを内包するメディアであるという考えのもと、物語性やデザイン性を持つ表現を追求しています。また、作者の気まぐれで自由奔放な世界観のあるイラストを生み出すことを強みとしています。
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