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喜界島

~島の人はそれを特攻花と呼ぶ~

書画コース 長田 昌子

半切(35×136)縦
水墨画用画仙紙

奄美大島群島に属する島々の一つに喜界島という島がある。サンゴ礁の隆起によって生まれた自然豊かな美しいこの島の滑走路の脇一面に群生する赤と黄色の花。太平洋戦争中、沖縄を包囲するアメリカ艦隊に体当たりする特攻部隊、喜界島はその中継基地となっていた。出撃直前、死の飛行に飛び立つ若き隊員たちに、島の娘たちは様々な思いを込めてこのテンニンギクの花を手向けた。彼らはその花を握りしめ暗闇のなか南の空へと飛びたった。しかしわが身と共に散るのは忍びないと空からその花を落とした。その種が舞い戦後80年経った今日でも、毎年春から夏にかけて滑走路周辺には色鮮やかな花が天に向かって一斉に咲き乱れる。
島の人はこれを「特攻花」と呼び平和を願う花として大切にしている。この花の持つ歴史、込められた願い。その想いを喜界島の美しい自然と共に表現した作品である。

「特攻花」(作品一部)
夜には360°の星が漆黒の夜空を飾る。手が届きそうな星空と月明かりだけで夜道を歩くことができる。月に照らされ黒く浮かび上がったアダンの木がどこかもの悲しい。
特攻機はその塗料の色から「赤とんぼ」の異名を持つ。その機体と共に多くの若い命が海の底深くに沈んでいった。
掛け軸の表装には大島紬をパッチワークのように縫い合わせ張り付けた。

長田 昌子

書画コース

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