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「わからない」の先にある可能性ー能と出会い生きるー

アートライティングコース 南 千尋

 本学の学習で得たもののひとつは、「能」との出会いでした。能は約700年間受け継がれてきた日本の伝統芸能であり、物語の筋を持つ演劇でもあります。能のセリフや歌詞が古語であることや、主役の役者が素顔を能面で隠していることからも、抽象的で難解なイメージを抱く人も多いでしょう。
 しかし、能は人を惹きつける何かを持っているはず。そうでなければ今まで途切れずに受け継がれることは不可能でした。長い歴史の中で、その時代の人々を惹きつけた何か。それは一体何なのか?「もし現代に生きる私たちが能から何かを受け取ることができるならば、それはどのようなものなのか」という問いが浮かびました。
 私は能と出会い、能楽堂に足を運び、能の歌の部分である「謡(うたい)」の稽古にも通い始めました。この卒業制作は、実際の観能や稽古の様子も交えた、能の初心者の視点から「現代人にとっての能」を考えるアートライティングです。
 能をわからないものとして遠ざけるのではなく、わからないなりにも向き合ってみることで見えてくるものがあります。この卒業制作がこれから能と出会う人たちにとっての希望を示せたら幸いです。

南 千尋

アートライティングコース

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