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アートライティングコース 星野和夫

私は長年、クラシック音楽を愛好しているが、中でもロマン主義音楽が終結した(1890年頃)以降の近・現代音楽が興味の中心である。理由は、近・現代時代の作曲家たちはこれといった作曲様式が定まっていないため、まず自分のスタイルを確立しながら作品を創作しなければならない。当然、その出来上がった作品は極めて個性的なものである。私が今回、卒業研究で取り上げた3人の作曲家(シェーンベルク、ストラヴィンスキー、バルトーク)も、そうした近・現代音楽の聡明期の作曲家であるため、その作品は非常に独特なものであり、私には大きな感銘を与えてくれるのである。
中でも、バルトークはその語法の源流に農民音楽を導入するという、前例のないユニークな方法でスタイルを確立している。農民音楽といっても他の民俗的作曲家のようにそのまま使用するのではなく、民謡の持つ音組織やリズムなどのエッセンスを、最大公約数的に抽出して語法の中心に据えるのである。そうして生み出された音楽は近・現代の斬新的な響きとともに、どこか素朴な庶民感覚にあふれている。故に、多くの人たちにその音楽のすばらしさを堪能していただきたく、卒業研究のテーマとしたのである。


栃木県

孤高の人バルトーク ー没後に市民権を得た作曲家ー

星野和夫

アートライティングコース

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