アートライティングコース 後藤順子
「住床池はあっちじゃー」、狭い急な坂道を上り、今では住宅が立ち並ぶ一角を指差して義父は寂しそうに呟いた。今年91歳になった義父には住床池との記憶があった。
岡山県南端の瀬戸内海に面した玉野市には現在でも多くのため池がある。その一つが住床池だ。筆者はこの「すんとこ」という不思議な響きに興味を持った。
かつて、人々はこの池とどのように関わりをもっていたか、幼い頃から池の近くで暮らしてきた義父の声(岡山弁)の中に響く、池の『記憶』を明確にする。現在、池周辺に立ち入ることはできない。高齢の義父の『記憶』までもが消えてしまう前に池との関わりを「ことば」として残す。
岡山県
水のない池とその記憶ー岡山県玉野市ー
後藤順子
アートライティングコース
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