時の間 跳・転・立
線の遊動による空間造形
(大学院)洋画分野 Ross Risa (Risa Ross)
100×80×10cm
アクリル板(1mm)、スプレーペイント、ラバーセメント
本作《時の間 ― 跳・転・立》は、時間を直線的な流れとしてではなく、身体的な感覚とともに立ち現れる「間」として捉え、その造形化を試みた作品である。時間は目に見えないが、跳ねる瞬間、転じる動き、立ち止まる気配の中に確かに存在する。その変化の兆しを、線と透明素材によって空間の中に顕在化させている。
支持体には極薄のアクリル板を用い、スプレーペイントとラバーセメントによる層を重ねることで、光を透過・反射させる構造を形成した。さらに板を曲げることで物理的な奥行きを生み出し、平面でありながら立体的な広がりを持つ空間を構築している。鑑賞者の視点や身体の動きに応じて線や色の関係性が変化し、時間が揺らぐような体験が生まれる。
「跳」は上へと跳ね上がる瞬間、「転」は渦を巻く動勢、「立」は静止の状態を表している。三つはいずれも同じの造形から生まれ、それぞれ異なる時間の局面を示している。作品は固定された形を提示するのではなく、鑑賞者の身体や視線の動きに応じて表情を変える空間として存在する。物理性と絵画性が交差する場に生まれる「時の間」を、透明素材の重なりから生じる余白を通して、光と気配を宿す空間として立ち上げる。時間を描くのではなく、時間が立ち上がる場を造形することを本作は試みている。
170×90×10cm
アクリル板(1mm)、スプレーペイント、ラバーセメント
130 × 65 × 10 cm
アクリル板(1.5mm)スプレーペイント、ラバーセメント
Ross Risa Risa Ross
(大学院)洋画分野
アメリカの美術教師として、木工彫刻の入選や絵本出版など、教育に関わる制作活動を継続してきました。
現在は京都芸術大学大学院通信教育課程洋画コースに在籍し、色と線を中心とした抽象表現を研究テーマとしています。ポアリングなど筆をあまり用いない技法や様々な画材・表現を試みる中でアクリル板と出会い、修士研究では「間・空間・余白」を主題とした造形的アプローチによる絵画制作に取り組んでいます。透明素材の重なりや曲げによって生まれる奥行きや光の変化を通し、物理性と絵画性が交差する空間の造形を追求しています。
このコースのその他作品