Spatial Tuning ART
空間と呼応する絵画
(大学院)洋画分野 太田 幸代
アクリル/紙/和紙/椅子生地/カーテン生地/壁紙/樹脂化粧板/古材
本作品群は「空間に呼応する絵画」をテーマに制作したものである。インテリアデザインの実務に携わるなかで、空間に置かれる絵画が既製作品として選ばれ、装飾的に配置される状況に違和感を抱いた。空間の構造や素材、環境背景から導き出された絵画であれば、より深くその場と響き合う存在になり得るのではないか。その問いが本研究の出発点となっている。
制作では、平面図上の動線や家具配置、照明、素材の質感など、空間を構成する具体的要素を読み取り、それらを画面構成へと翻訳した。実際に使用された壁紙や布地、内装マテリアルをキャンバスに取り込み、コラージュと描画を重ねることで、空間の記憶や気配を内包させている。素材の物性と筆跡のレイヤーが交差することで、絵画は単なる視覚イメージにとどまらず、触覚的な厚みを持つ存在へと展開する。
本作は、絵画を空間に付随する装飾としてではなく、空間とともに生成される思考の形として再定義する試みである。空間に寄り添いながらも新たな視点をもたらす可能性を提示している。デザインと絵画は別領域の技術ではなく、文化や環境を読み取り再構成するという共通の思考から生まれる表現である。「呼応する絵画」は空間に従属するのではなく、相互に作用し合う存在であり、絵画が空間の理解を深め、空間が絵画の意味を支える。その関係性のなかで制作を続けている。
606×500mm
アクリル/キャンバス/布/壁紙
910×727mm
アクリル/キャンバス/布/壁紙/和紙/塩ビシート
910×727mm
アクリル/キャンバス/古材/琉球紅型布
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