映画学科

青山真治監督が逝去されました。学科長・北小路隆志

 2014年から17年にかけて、映画学科で学科長及び客員教授を務められた、映画監督の青山真治さんが3月21日に逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。

 青山さんはだれにも真似のできない愛情と熱量、知性で映画に接する方でしたが、学生への教育やかれらと築く関係性の面でも同様でした。教員として本学科で過ごされた期間はあまり長くありませんでしたが、さまざまなかたちでその薫陶を受けた学生たちが世に出ています。また、慣れない京都暮らしのあいだに書かれた文章も含む著書『宝ヶ池の沈まぬ亀 ある映画作家の日記2016‐2020』がつい最近刊行されたばかりでもありました。

 私、個人としても、自分と同じ世代からはじめて日本に生まれた「偉大な映画作家」であるとかねてから考えていた青山さんと同じ職場で時を過ごし、議論や課題を共有できたこと、制作系のゼミを2人で担当し、指導できたこと等々が、かけがえのない経験になり、自分にとっての支えや忘れ難い思い出になっています。

 もしも天国というものがあるとすれば、そこで大勢の先達と酒を呑み交わしながら、堂々と映画談義で渡り合い、朗らかに笑う青山さんの姿がありありと目に浮かび、いまはその愉快な光景をせめてもの慰めとしたいと思います。本当にありがとうございました。

 

映画学科学科長 北小路隆志

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