- 2016年5月3日
- ニュース
子どもはみな天才
Azemiによる研究旅行の報告です!
ゴールデンウィーク期間の5/1日から3日まで、香川県観音寺市に研究旅行で行って来ました。目的は、観音寺小学校でのワークショップと観音寺をフィールドワークすることです。今回は、3回生4名と4回生2名が参加しました。
それでは早速、観音寺小学校でのワークショップの様子です。
1年生90名の子ども達を対象に、こども芸術学科教員の村山が考案した「緑画(りょくが)」手法によるワークショップを行いました。緑画とは、生の植物(葉、花、実など)を手で紙や布などに擦りつけて絵を描く絵画技法で、2008年から村山が唯一無二の絵画手法として形式化したものです。様々な地域でワークショップを2008年以降毎年行っています。もちろん、私自身も緑画での制作発表を現在も含め続けています。
この、緑画体験を観音寺の子ども達にしていただきました。
事前に子ども達には、家の庭や近所から植物を採取してくるように伝えてあり、身近な植物を各自持ってきているものと、校内にある植物を使い野外にて制作を開始しました。(この日は、地元のテレビ局や新聞社も取材に来ていました。)
描いている風景も美しいですね、絵になってます。
1時間目は個人での制作で、2時間目はクラスごとに共同制作になります。今回の制作テーマは、地元の身近な自然の好きなところなどをイメージして描いています。自然豊かな香川県ですが、地方の子ども達は近年あまり自然と触れ合わないことも多いようです。ですので、この緑画手法で身近な自然に目を向けること、自然の持つ可能性や不思議さ香り手触りを身をもって体感していただく中で、言葉や技術ではないものを感じ取ることを大切にしています。
これは凄い。
このような感じで、どんどん描きます。勝手に工夫して描くことが、この手法の素晴らしいところです。絵筆やペンなどではない不自由さが逆に、味のある線になり、色も自然の色なのであたたかいです。また、この絵の最大のポイントは、絵の色彩が変化するところですね。自然の紅葉するように絵も変容して行き、変化したあとの絵も美しいですよ。
そして使った植物は総て土に還します。生きている命を少し分けていただき、感謝し描く。食べている食材と同じような感覚ですね。緑画手法の新しい概念がここにあるのだと思います。
小学校の先生方や子ども達もこの緑画の体験者になり、皆よかったと言っていただきました。やっぱりこの手法と絵は、本物を見ないと絶対伝わらないのです。それは、アートである絵ではあるものの、自然物でもあるので、森林浴をした感覚と似ていて、やっぱりその場に入ってみないとわかるわけがないのです。
子ども達は皆いい子で、やっぱり子どもは天才ですね、ピカソもびっくりの作品ばかりでした。
※今回の個人の作品、共同制作の作品は、実は展示されます。「かがわ・山なみ芸術祭」の観音寺市大野原町エリア(瀬戸内国際芸術祭2016パートナーシップ事業)にて多くのアーティストと共に子ども達の作品も見ることが出来ます。2016年5月15日から29日まで行われます。自然を介し、様々な場所で作品が展開されます。私村山も作品を展示しますので、是非お近くまで来た方はご覧下さい。ネットから調べてみてください。
私は、この休耕田に体験型の作品を設置します。
集荷場などでも作品が展示されます。ここにも展示します!
さて、学生の皆さんはフィールドワークも行いましたよ、もちろん。
観音寺小学校の校内をリサーチです。2014年に2つの小学校が一つになり新たな小学校として生まれた変わりまして。その際新校舎になりとても開放的な大きな小学校です。ここは、海も近いので当初ここに小学校を建てることに反対意見(東日本大震災の津波)もあったようですが、逆にこの小学校を防災の拠点として3階より上に地域の住民も逃げられるように設定されています。そのため、教室外のスペースを広く取っていたり、貯水タンクなども完備しています。校長先生の案内で、聞けない話を沢山きくことが出来、勉強になりました。
観音寺です。第69番札所で、お遍路さんが沢山来てました。このような場所にも学生は歩いて来ていましたね。
銭形砂絵です。小高い山からの眺め、奥は有明海ですばらし景色ですね。この辺一帯を歩いてフィールドワークしました。
有明海岸を集合場所にしました。瀬戸内海は淡い海と空と言う印象で柔らかな感じです。
大きなスケールでものを見たり感じたりする機会って大切ですね。普段いる地域でない他地域を実際に歩いて本物に触れて感じることにより、いつも見ている風景をまた違った視点で見られるようにもなるのです。
最後に、私と学生共々地元の徳善さん小学校1年生担任の大西先生には特にお世話になりました、有難うございました。
(教員:村山)