- 2012年12月8日
- 日常風景
特別講義「歌舞伎・エンターテイメント」
今日は歌舞伎・舞踊研究をされている大倉直人先生にお越しいただき、
歌舞伎を始めとして、広くエンターテイメントについてお話いただきました。
前半は「日本のパワー」とはどういうものか、
西洋などの他の国とはどんな違いがあるのかを、
歌舞伎や能を通じて分かりやすく教えて頂きました。
静かな中にも力を秘めている(静中の動)
激しく見えても中は落ち着いている(動中の静)
こういった「内にパワーを秘めていてここぞという時にぐっと力を入れる」
ことができるのが日本のパワーだそうです。
実際に静かな動きでもすごく筋力を使っている、という例で
女形の立ち振る舞いも練習してみました。
学生はなんとなく形を作るのがやっとでしたが、
実際の役者さんはその体勢を20分以上も保てるそうです。
後半では歌舞伎もあくまでも「娯楽」のひとつ、ということで
他のエンターテイメントにも話が広がりました。
歌舞伎でもテーマパークでも映画でも、きっとマンガでも
自分がその対象をすごく好きだ!という気持ちを持つことが大事、
そして、「うそ」は良いけど「にせ」はダメ、
「にせ」にならないためにも「本物」を見て知って、そこからはなれていく努力をしよう、
というお話を頂きました。
マンガに置き換えると、
読者受けを狙う前にまず自分がそのマンガを好きであることを貫いて欲しい。
そして、読者を楽しませるための「うそ」は良いけど、
人気作品(マンガに限らず)を上辺だけの理解で模倣するのはダメ。
といったところでしょうか?
もちろん、すべてゼロから生み出せ、と言っているのではなく
今ある名作(=本物)をきちんと理解した上で新しいものを生み出していけばよいのです。
本学のマンガ学科は
「マンガに限らず文学や映画などの作品を読み解く」授業をかなり行っています。
これは他のマンガ教育機関にはない特徴だと思っています。
普段の授業も「名作をきちんと理解した上で新しいものを生み出す」ことを
伝えたくて行っています。
今日の特別講義でも、伝えたいこととして同じ内容が出てきて、うれしく思いました。
大倉先生、本日はお越しいただきありがとうございました!