
デザイン科 - イラストレーションコース
増井 洋子
■ タイトル
子供から大人まで楽しめる、 北欧デンマークのクリスマスの伝統的なお菓子とデザートのレシピ本 「ユユとルルの クリスマスのおかしづくり」
■ 説明
日本でも読み聞きしたことのあるデンマーク人が頻繁に表現するデンマーク語の
「Hygge(ヒュグ)」は「居心地のいい空間」といった意味を持ち、蝋燭やランプの間接照明、洗練されたインテリア、家族や友人と囲むゆったりとした食卓など、それはデンマーク人にとって大切なヒュグな時間と空間です。
日照時間が短く、寒くて長い冬に迎えるデンマークのクリスマスは日本の正月のように家族中心で静かに過ごす大切な伝統行事であり、 街中も家の中もクリスマスの素朴な装飾で着飾られます。そんなヒュグな雰囲気に包まれるクリスマス文化は日本ではあまり馴染みがありません。
クリスマスの架空の妖精の「Nisse(ニセ)」達はクリスマスの主役といってもいいほど、室内装飾をはじめテレビ番組にいたるまで、様々な所に登場し、童話的な世界へと導く存在です。本作品は最初と最後に簡単なストーリーを導入し、そのニセの「ユユとルル」を通して童話的な世界観でデンマークのクリスマスを紹介するとともに、クリスマスの伝統菓子とデザートを紹介する児童向けのレシピ本です。 読者が本を見ながら実際に料理できるように卓上式とし、クリスマスまでのカウントダウン形式となっている12月のアドベントカレンダーのように、12月の初旬からクリスマスまでに菓子とデザート合計4種類のレシピを、毎週一種類ずつ作るペースを想定しました。
イラストはシンプルでアナログ感のある描写と落ち着いたナチュラルな配色で、北欧の雰囲気を表現し、いつも一生懸命な「ユユ」とおてんばな「ルル」を演出した描写を心がけました。
いま、幼児教育では子供の遊びや手伝いを通して非認知能力を育てることに注目がおかれており、親子で会話をかわしながら、手で生地に触れたり、匂いをかいだりと、つまり、五感を利用して料理をすることは子供の脳機能の発達と親の脳の活性化に効果があり、親子のコミュニケーションを深めることもできます。
このレシピ本を通して北欧デンマークのクリスマス文化の伝統と雰囲気を感じてもらうとともに、親子の思い出作りになればという願いをこめて制作いたしました。