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歴史遺産コース 小泉 吉生

 本研究は、今から約430年前の天正期に御土居堀築造という大規模な土木事業を完遂できたことに対して、私自身、興味と疑問を呈したことに始まっている。特に、御土居堀は広範囲に築造されたことから、場所により築造方法にも違いがあるように思われた。この違いこそが、私にとって最も興味を惹く点でありまた疑問点でもあった。
 研究を進めるにあたり、京都市埋蔵文化財調査研究所発掘調査報告、京都市文化市民局京都市内遺跡試掘調査報告及び電子国土Webなどを参考とした。また、調査地点は地図上にプロットし、土塁や堀、及び築造された旧地形や地質・土壌の特徴の有無などを「御土居堀築造に関する検討項目整理表」として作成し比較検討を行った。
そして、何よりも「御土居堀築造に関する検討項目整理表」を作成することは、本研究において最も重要な作業であり、その結果、盛り土の特徴や旧京都地形を活かした築造の特徴を明らかにすることができた。
 御土居堀の目的を、治水対策として捉えることで、土木計画の目的とその必要性がみえてくる。御土居堀は京都の地形に極めて特化した形で築造され、各々の土地性によって盛土に工夫を凝らした土木史に残る築造物であるといえる。


天正期の御土居堀築造にみる中世土木技術と京都の都市改造

神奈川県

小泉 吉生

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