イラストレーションコース 渡邉 葉子【コース奨励賞】
■タイトル
知られざる、ホーチミンシティ
■説明
作品テーマは「ガイドブックに載っていない、知られざるホーチミン市の魅力をイラストの力で伝える」。
知られていないからこそ誰かに伝えたい、ホーチミン市の観光地を紹介するイラストブック兼ガイドブックです。旅先で持ち歩きしやすいパスポートサイズで、本から切り離して使用することもでき、写真立てに入れて飾ったり、スクラップしたり、身近にホーチミンの風を感じることができるプロダクトを目指しました。
制作のきっかけは、2018年に私がホーチミン市に移住したときに、在住7年の上司から言われた「ホーチミン市は何も見るものないよ」という言葉でした。その時の上司と同じ在住7年目となった今、その言葉に対するアンサーとして制作したのがこの本です。
制作にあたって、過去に発刊されたガイドブックを分析し、紹介されている観光地の傾向と、紹介されていない場所を調査しました。するとホーチミン市の面積は東京都とほぼ同じ広さなのにも関わらず、ガイドブックで紹介されている場所は中心地の半径2キロ圏内に集中し、いうなれば「渋谷駅と原宿駅周辺を歩いただけで東京を観光した」気になってしまうようなセレクトになっていました。また、多くは植民地時代のフランス風建築で、ベトナムを感じにくいことも気になりました。
分析をもとに、「幅広いエリアで、ベトナム文化を意識した、ガイドブックに紹介されていない場所」を在住7年の経験を生かしてピックアップしました。
イラストを描く際に注意したのは写真やガイドブックとの差別化です。「実際はそうなっていないけど、ありそうな気がする」範囲で、色彩や構図を誇張することでイラストにケレン味を加え、より魅力的に描写することを心掛けました。
また、通常のガイドブックのようにメインとなる部分を写さず、あえて「私が"イイ!"と感じた場所」をチョイスして描くことで、オリジナリティーのある自由度の高いガイドブックになりました。
これからホーチミン市に行く人も、行けない人も、この本を手に取って「ホーチミン市って素敵な場所がたくさんあるんだな」と感じてもらえると幸いです。
旅のお伴に持ち歩きしやすいパスポートサイズの本です。
本から切り離すことができる仕様になっているので、気に入ったイラストを部屋に飾ったり、旅の思い出と一緒にスクラップしたり、生活の中でホーチミンの風景を楽しむことができます。
表紙:サイゴン カオダイ教寺院 複雑に文化が入り交じり、カオスでエネルギッシュなホーチミン市のイメージを、様々な宗教の教えを土台として生まれたカオダイ教寺院に重ねて表紙にしました。
キークアン2寺院 覗き窓の先に広がる迷宮と飛行機雲。最初にこのページを設定することでなにかがはじまる予感を表しました。
ベトナム伝統薬博物館 「知られざるホーチミンシティに迷い込む」がすべてのイラストに共通するテーマです。複雑な構図で迷い込むような錯覚を与えるようなイラストにしました。
スイティエン公園 草をかき分け、たどり着いた先に広がる夢幻の空間を意識しました。
萬佛寺 迷い込んだ先の路地裏に現れた、暖かい祈りの空間をイメージしています。
サイゴンセントラルモスク 迷った旅人がほっと一息できるようなオアシスをイメージしてこのイラストを描きました。
フックロン寺院 船出と暖かく迎えてくれる観音像。最後にこのページを入れることで、読者のホーチミン市への旅出と歓迎の意味を込めました。
渡邉 葉子【コース奨励賞】
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