芸術学コース 野村 英司
ベルギー出身のシュルレアリスト、ルネ・マグリット。1960年頃にはシュルレアリスム芸術は世界に広がりを見せたが、マグリット絵画の持つ不可思議で幻想的な作品に影響を受け、インスピレーションの源にしていたのは、商業デザインを取り扱うデザイナー達であったと推察し、商品広告として楽曲の視覚表現であるアルバムジャケットを取り上げ、画家の与えた影響を考察する。
マグリット絵画を借用したジャケットデザインを絵画に手を加えず使用する事例と絵画の一部に手を加えた事例、作品で描かれているモティーフを用いて創作する3つの事例に分類し、その図版と画家作品とを照らし合わせて検証する作業は、新たな発見も多く、絵画を広告デザインに借用する考察の糸口になった。
マグリット絵画の持つ、商業デザインへの受容は「思考の自由」と「匿名性」だと考察した。その根拠は、あらゆる象徴的内容を取り除き、主題や意図を読み取ることができないモティーフは、広告媒体にとって借用の余地となる汎用性を生み出すことが出来、デザイナーがマグリット作品を借用している要因は、非日常の事象を日常に溶け込ませる技法とモティーフを活用するためだとの推論に至る。
京都府
アルバムジャケットに見る、ルネ・マグリットの商業デザインへの影響
野村 英司
芸術学コース
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