和の伝統文化コース 畑 成美
『和席編』という江戸時代の古典随筆を通じて、畳産業の歴史的変遷を研究しました。この研究を始めたきっかけは、先行研究で古典書物に描かれた畳縁をテーマとして研究を行っていた際に、野村先生からの助言で『和席編』という資料に出会ったことです。
本論文は、『和席編』に記された江戸時代の畳職人の思いと技術に焦点を当て、その歴史的意義と現代への示唆を深く掘り下げた意義深い研究であると考えています。
特に印象的なのは、『和席編』の筆者である高田吉籌が、後世に伝えようとした畳職人の技術と精神を丁寧に読み解こうとする研究姿勢です。畳製作道具の詳細な記録や、百四十三室にも及ぶ茶室図面の収録には、伝統技法を確実に継承していこうとする筆者の強い意志が感じられ、その解読は文化継承の観点から極めて重要な取り組みといえます。
一つの文献に込められた畳職人の思いを解き明かすことで、伝統工芸の本質的価値と今後の可能性を示しており、その成果は伝統文化の保存と発展に大きく貢献する研究であると考えています。また、まだまだ修正が必要ながら、誰も行っていなかった翻刻を完了できましたことは、担当先生方の御指導の賜物と深く感謝しております。
福井県
『和席編』にみる江戸時代の畳
-畳職人の思いを視座としてー
畑 成美
和の伝統文化コース
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