和の伝統文化コース 松平 満子
茶道関連の本などでは、仕覆について、戦国時代には茶入に毒を入れられないように茶道役が封じ結びを施し、戦国時代が終わると草花などの自然の風物を表す花結びで飾るようになった、と言われている。しかし、結びや茶道の歴史を調べると、封じ結び・花結びは武家の礼法の一部で、長緒の袋や手箱・文箱の蓋の紐の結びであった。茶道具を入れる袋(仕覆)にも用いられたが、茶の湯だけの結びではなかった。また、茶入の仕覆は利休の頃に短緒になっており、封じ結びをした茶入の仕覆とは、茶入を入れた長緒の袋のことであった。
封じ結び・花結びは、明治以降も学校の作法教育などで教えられていたが、戦後は学校教育から姿を消した。戦後の復興から高度経済成長を遂げる中で、日常生活で結びを使うことは減っていく。そうした中で1970から80年代に、女性の茶人が仕覆の結びとして花結び・封じ結びを研究し、花結び・封じ結びを仕覆の結びとして紹介する本が出版された。
現在、封じ結び・花結びは消滅の危機に瀕している。封じ結び・花結びが茶の結び・仕覆の結びとして人々に知られることは、その伝統をつなぎとめる一助となっているのである。
茶道の仕覆の紐結びと花結び・封じ結びとの関わりについての考察
神奈川県
松平 満子
和の伝統文化コース
このコースのその他作品