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和の伝統文化コース 清川 朋子

なぜ、人はしきたりを守るのか、なぜ、冠婚葬祭を行うのか。また、なぜ、人は臍の緒を大切にするのか。そうした疑問から、胞衣という言葉に出会う。胞衣についての先行研究は多く残るものの、現代人にとっては馴染みが薄い。胞衣は女性の胎盤を称し、出産の際に胎児と混同して産婦の体外へ放出される。古代、臍の緒は竹刀で切られ、その後も暫くは心臓の拍動のように動く様子から、その子の分身として大切に扱われるようになったのではないだろうか。古代や中世の環境・生活・天災・衛生面など状況が悪化すると、神社では祈祷が行われ呪術が用いられた。現代に残る安産祈願は神功皇后の三韓征伐伝説と関わりがあることから、八幡神は安産の神様なのか?といった視点から八幡信仰について考察を行い、実際に訪れたことのある八幡神社について取り纏めを行った。医療が発展していなかった時代には子が無事に育つことは不可欠であり、穢れや忌み、神功皇后の神話や八幡神を用い、産婦の身体や精神を守っていたのではないかと考える。それに加え、仏教などの外来信仰が加わったことから胞衣は神聖なモノとして位置づけられ、大切に扱われていたのではないだろうか。



兵庫県

胞衣はなぜ、神聖なモノなのか
ー八幡信仰からの考察ー

清川 朋子

和の伝統文化コース

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