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歴史遺産コース 山口 智子【コース奨励賞】

 本研究は、大徳寺大仙院に伝わる文書『養華院殿七佛事記』についての考察です。七仏事とは禅宗で入龕から秉炬(火葬)までの七つの仏事のことで、従って本文書は養華院殿という人物の葬礼と解釈できます。その七仏事に「煎点之次第」という飲食儀礼について記述があり、これを本文書の特色として考察しました。 それは、この儀礼は酒が儀式の重要部分であったこと。そして、本文書が特定の人物の葬礼の記録ではなく儀礼書の類と推察となりました。 
 また、養華院殿についての人物比定を行い、本文書に記されている織田信長の妾ではなく、信長の正室濃姫の可能性が高いことを提示しました。養華院殿は、総見院(信長の菩提所)のある大徳寺の史料は全て妾と記されていると一般的には言われており、濃姫についても、史料が稀薄なことから早逝説が根強く、養華院殿の人物像は評価が定まっていない状況です。 
 しかし、今回大徳寺の史料で養華院殿が信長の正室と示す史料を提示し、濃姫が本能寺の変頃まで健在であったことを考察しました。史料がないという固定観念があった人物を考察することになり、卒業論文にまとめられたのは望外のこととなりました。


『養華院殿七佛事記』についての一考察
―その煎点の特徴と人物比定を中心として―

山口 智子【コース奨励賞】

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