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アートライティングコース 金澤 陽子

2019年、63歳で本学に入学した私は、入学式で初めて、「芸術と哲学によって、新しい人間観、世界観の創造を目指す」という建学の理念に触れる。「芸術とは何か。芸術は戦争を抑止できるか。(中略)芸術は人類の新たな救世主たりえるか」という創設者の言葉は、1つの問いかけとして私の中に残る。

そんな折、「対話型鑑賞法」の存在を知った私は、芸術作品が豊かな対話を生む事を認識する。さらに平和とは真逆の方向に世界が進む中、コスタリカという国の存在を知る。平和憲法を掲げるこの国は、軍隊を持たない、対話教育に基づく平和文化教育の国であった。コスタリカの実践は、対話が平和を創り出す事を、私に強く認識させた。

対話型鑑賞法の普及に尽力した福のり子氏は、この方法を用いて異論を持ち寄り、対話を重ね「集合知を皆で話し合って作り上げることが可能となったら、戦争も起こらない世の中になるんじゃないか…」と対談で呟く。私は芸術作品が対話を生み、対話が平和を培うという認識へのヒントを得る。入学式の問いに対する6年目の収穫であった。一方で、芸術により育まれる柔軟な思考が、成熟した市民社会を培う力となる事にも気付いてゆく。


神奈川県

6年目の収穫~平和と対話と芸術と~

金澤 陽子

アートライティングコース

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