『つがわ狐の嫁入り行列』(偶然と幸運な出会い)
アートライティングコース 杉崎栄次
新潟県阿賀町津川で開催される「つがわ狐の嫁入り行列」は、今から35年前の平成2年(1990)に、津川商工会青年部(部員38名)によって創設された。その後、新潟県内はもとより、日本全国、そして海外からも知られるようになり、「狐の嫁入り行列」では日本最大規模となった。
津川は日本三大河港に数えられ、その始まりは平安時代(958)に遡り、江戸時代には北前船で移入された「塩」や「海産物」を会津地方へ輸送する中継点として、昭和中期(1960頃)まで、1000年にわたり繁栄を極めた。その由緒ある歴史の中で、「つがわ狐の嫁入り行列」のような一大イベントが創設された例はない。創設メンバーは80才近くになり、すでに亡くなった人もいる。創設メンバーが健在なうちに聞き取り調査を行った。
「つがわ狐の嫁入り行列」の創設には1年を費やし、その過程で、高津装飾美術、黒澤明監督映画のプロデユーサー、音楽家の喜多郎さんなど、数多く方々との偶然と幸運な出会いがあった。創設できた最も大きな要因は、大自然と旧会津街道の街並み、そして、日本が工業化社会に変わる昭和中期(1980)に消滅した共同体が、現在も津川に継承されていたからだった。
杉崎栄次
アートライティングコース
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