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花の生命

イラストレーションコース 山形一輝

本作品は、「花とロボット」という、自然と機械という対照的な存在をモチーフとして制作したものである。自然は生命を育み、循環し続ける存在であり、ロボットは人間によって生み出された人工的な存在です。この二つを組み合わせることで、生命と無機物、自然と人工物の関係性を改めて問い直すことを目的としました。
本作品では、花が結びつくことでロボットが動くというコンセプトで製作しました。ロボットの中心部に配置された花はエネルギー源として描かれており、生命を象徴しています。人工物であるロボットは自立して動いているように見えますが、実際には生命に支えられて存在しているという構造を表現しています。これによって、機械や技術もまた自然や生命の上に成り立っているものであるという考えを視覚的に示しています。
制作の背景には、環境問題に対する問題意識があります。環境問題は現在も深刻な課題である一方で、日常生活の中では話題にされる機会が以前より減ってきていると感じています。自然や環境は、生物が生きるために不可欠であるだけでなく、人間の生活や技術の発展を支える基盤でもあると考えています。しかし現代では、技術の進歩が当たり前になり、自然と人工物を切り離して考えてしまう傾向があると感じており、本作品では花とロボットという対照的な存在を結びつけることで、機械や技術も自然や環境があることで発展、使用できることを意識してもらえたらたらと思っています。
花に囲まれた環境の中に無機質な存在として描いたロボットを配置することで、孤立した存在ではなく、環境の一部として表現しました。花に支えられて動くロボットの姿は、自然と共に生き、依存しているようにも見えるようになっており、生命と無機物、環境と機械の関係について考えるきっかけを与えることを意図しました。
表現方法にはドット絵を採用しました。ドット絵は情報量が制限される表現であるため、形や色を簡略化しながらも、モチーフの特徴を的確に伝える必要があります。その制約を活かし、ロボットは無機質でシンプルな形状にまとめ、人工物としての印象を強ています。一方で花は色の違いや配置によってリズムを持たせ、生命感が伝わるよう工夫しました。構図は斜め上から見下ろす視点とし、画面の中心にロボットを配置することで、周囲の花との関係性が把握できるようにしました。
本作品を通して、生命と無機物、自然と機械は対立するものではなく、相互に支え合う関係にあることを表現しました。ロボットという人工物を生命によって動く存在として描くことで、環境との共生について改めて考えるきっかけを提示したいと考えています。

山形一輝

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