こころちゃん
幻の声に苦しむあなたへ
イラストレーションコース 杉 優希
A6サイズまたは、電子媒体絵本
概要: 本作品は『こころちゃんと歩く、小さな回復の物語』
心が疲れた時、手にとってみてほしい。こころちゃんと一緒に寄り添い自分もまた一歩、歩き出していけそうと思える絵本。優しく見守るイメージで読んでいってほしい。
用途やターゲット:大人・若年層向け。お守り的役目の絵本。持っていると安心する。
世界観:こころちゃんが優しく伝える心の世界観。
作品ステートメント: 本作品は、内面に生まれる否定的な「幻の声」と距離をとりながら自分自身を取り戻していく少女こころちゃんの物語である。
幻の声は、かつてこころちゃんの過去に寄り添ってきた存在でありながら気付かぬうちに心を支配してしまう。本作では、その声と戦うのではなく、返事をせず、そっと離れるという向き合い方を描いた。
絵本という優しい媒体を通して、心が疲れたときに自分を守るための小さな回復のあり方を伝えることを目指している。
補足: 本作は、エモーショナルヘルスをテーマにしたファンタジー絵本である。
エモーショナルヘルスとは、気もちが動くことを否定せず、自分で気づき、扱える状態を指す言葉である。
ときどき「幻の声」が聞こえる。こころちゃんは、それが本物だと思い込んで、つい耳をかたむけてしまった。
「それしちゃだめ!」「あれしちゃだめ!」「ほら、早くしなよ!」いつも否定ばかり言ってくる、その声。「私って変なのかな…?」その声に言われるまま、気持ちが小さくなっていく。
でもね、たまに優しいことも言ってくる。「友達だろ?」「そばにいるよ」「君のこと好きだよ」そんなふうに言われると、ちょっと嬉しくなってしまう。
しかもその声、どこかで聞いたことがある。ほんとの友達みたいに聞こえるときもあって「あなたたちは、一体誰なの?」空想だけとは思えない、不思議な会話だった。
そしてどんどん心に入りこんでくる。嬉しいときも、悲しいときも、声はずっと話しかけてくる。気持ちがぐるぐるして、何がなんだかわからなくなることもあった。
ある日こころちゃんは気づいた。幻の声の主は、ぜんぶ、私の中にいる”気持ち”だったんだ。いろんな不安が、いろんな声のふりをしていただけ。私を守ろうとしてくれていた気持ちも、たくさんあったんだ。
こころちゃんは不安をギュッと抱きしめた。「そっか、今の私は不安なんだね。」気づいてあげるだけで、胸のモヤモヤが少し軽くなる。ほとんどは”幻”みたいにすぐ形を変えるもの。
こころちゃんはそおっと深呼吸した。「大丈夫。もう幻の声に振り回されないよ。」たくさんの不安は、時間がたつと、夕ぐれみたいにすこーしずつ薄れていく。そのことを、こころちゃんはもう知っている。
つづく…。
杉 優希
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