熊と人間の共存について思考のきっかけ
イラストレーションコース 矢嶋優樹
はじめに、本作品は昨今のクマの被害や出没増加傾向を受けて制作を始めました。この作品をご覧になられた方が、熊と人間の共存について考えるきっかけになれば幸いです。
この作品は、人間の進化をモデルに、熊が大きく成長し知性を得て二足歩行へと変化していく姿を描いています。
一方で背景では、自然豊かな森が徐々に失われ、最終的には廃墟の村へと変貌していきます。
熊の進化と人間世界の荒廃が反比例するこの構図は、すでに両者のパワーバランスが崩れつつある現実を象徴しています。
本来なら人間が森を守り、熊を山奥へ押し戻す関係であるはずが、ハンターの高齢化・後継者不足・薄給などの問題で追い返す力が弱まり、さらに少子高齢化による過疎化・廃村の増加がそれを加速させています。
その一方で、熊はまるで状況を理解したかのように、近年ますます人里に姿を現すようになりました。森林減少や餌不足を背景に、追い返されることなく人家近くで食料を確保し、冬眠前の準備を巧みに行うなど、学習と適応を繰り返しているように見えます。
こうした現代日本で起きている「熊と人間の現実」を、より多くの人に知ってもらいたいと思い、この作品を制作しました。
熊の視点に立ち、人間との共存の可能性を真剣に模索するそれがこの作品の核です。今、熊と人間の間に何が起きているのか。それを一目で感じ取れるよう、視覚的に表現しました。
より詳しい熊の出没状況や対策については、環境省の公式ページをぜひご覧ください。
矢嶋優樹
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