鬼のいないまち
― 鬼無桃太郎伝説 ―
グラフィックデザインコース 花澤 季杏
本/B5判(横) W257mm × H182mm 96ページ 和綴じ製本
全国には童話『桃太郎』の起源となったとされる伝説が多数存在している。
その中の一つである『鬼無桃太郎伝説』は香川県高松市鬼無町に伝わるものである。
伝説には実際に存在する地名が登場し、今もその場所を訪れることができる。
この伝説の認知度向上と、新たな風景の見方の提供を目標に1冊の本を製作した。
本のコンセプトは、昔話の舞台を実際に行くことができる場所として感じてもらうことであり、
伝説を単なる昔話として紹介するのではなく、現実の地域や場所と結びつけて捉えることを重視した。
「桃太郎が本当にここに来たのかもしれない」
― そんな風に、読者が物語の登場人物の足跡をたどるような気持ちで地域を見つめられるような、
「物語と現実がゆるやかにつながる世界」が、この本の世界観である。
伝説の物語に沿って、見開きごとに一つの場所を紹介している。写真・イラスト・文章を組み合わせることで、読者が現実の風景と物語を重ね、訪れることを想像しながら読めるものを目指した。
グラフィックデザインコースでの学びを通して、製作者の意図は思っている以上に相手に伝わりにくく、ときに自分の解釈を一方的に押し付けてしまう危うさがあることを感じてきました。内容をただ盛り込むのではなく、受け取る側の気持ちを想像しながら表現や情報量を調整する視点を持つようになりました。
また、発想をさまざまな方向へ広げながら、それらの要素を結びつけて整理し、編集していく考え方も学び、自分のアイデアが、説明せずとも見た人に伝わるような表現を意識するようになりました。
これまでの学びを、今後の制作や物事の捉え方にも活かしていきたいと考えています。
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