ハレの日家紋
わたしのハレの日、「ハレ紋」と。
空間演出デザインコース 橋本 暁美
コース奨励賞
作品タイトル:ハレの日家紋 わたしのハレの日、「ハレ紋」と。
家紋は家とともに受け継がれてきたしるしです。
しかし、家紋が伝統として現在に至る理由は「家のものだから」だけではないように思います。
例えば、通りを歩いているときに見かけると「あ、家紋だ!」と思います。
ロゴやマークではなく「家紋」と認識する理由はなんでしょう。
逆にロゴやマークだったとしても「なんか、家紋っぽいよね。」と言ったり、「うちの家紋は変わっててさ、」などとちょっと自慢だったり、家紋は知っていてもよく知らなくても、ちょっとDNAをくすぐられる魅力的な形ではありませんか。
しかし、時代の変化による暮らしのスタイルの変化とともに、家紋を身近な暮らしの中で自分のものとして利用したり目にする機会はめっきり減ってしまいました。
家紋には日本の文化的特徴や造形美がぎっしり詰まっています。ほぼ全ての家がしるしを持つ国は世界的に見ても珍しく、あの小さな形に線と余白のみで森羅万象を表現した家紋は、まさに日本の造形美です。
私たちがもっと、この誇るべきしるしを現代の暮らしで享受できないだろうか。
その手段となったのが、《ハレの日家紋》です。
家紋の歴史的な意味と共に日本の造形美を知り、それを現代の暮らしの中で身近なものとして扱う事。伝統と共にあることは、私たちの暮らしだけでなく、心も豊かにするのではないかという考えに至りました。
濃い霧の中を進むように始まった卒業制作。活動が進むにつれてリサーチの重要性が身に沁みました。知る・守る・破るの3段階それぞれで冊子が生まれたのはリサーチと考察を重ねた結果に思えます。
この言葉が大きなアイスブレイクとなり、「ハレの日家紋」が生まれました。
ハレの日家紋には「ハレ家紋」と「ハレ紋」の二つがあります。
当初は白黒だったハレ家紋ですが、色を加えてみると思いの外ポップに。
「ハ」「レ」の文字から紋を作る→家紋のように変形型を展開→パターン化→テキスタイルへ …家紋の研究からは思ってもみなかった発展でした。
テキスタイルにしたからといって、闇雲になんでも良いのではなく、「ハレ紋のものたち」としてプロダクトの最終目的・到達地点を考えました。
ハレ紋がプロダクトになるまでの段階で、パターンの大きさ、種類、色合いなどテキスタイルデザインとプロダクトの相性を考えることも重要な工程でした。
家紋の研究から生まれたハレ紋たちは、現代の暮らしの様々なシーンで使えるプロダクトになりました。かつて家紋が暮らしと共にあり人々を見守ってきたように…
ハレ紋が「頑張って!」「大丈夫!」「よかったね!」と励まし、寄り添い、喜びと共にありますように。ハレ紋のものたちで、日常にもたくさんの「ハレ」を見つけられますように。
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